損得の勘定 | 日本空手道 葉隠塾東京本部 瞬機必殺の理

損得の勘定

大人とは。みなさんが大人への道すがら
大人への道で如何にあるべきか考えた筈です。


子供っぽさを隠そう。馬鹿騒ぎは控える。云うことも選ぶ。
本音を隠すことがまずその始まりだった筈です。


欲しくても欲しがらない。本能的な欲望は決して見せてはならない。
喜怒哀楽を簡単に人前で見せない。


そうです。これら全ては日本人の徳目であり、武士道の規範でもあるのです。
が、しかし。その使い方が難しいのです。


商売を始め、買い付けをします。
素晴らしいものを見付けました。
何とか入手しお得意様に提供したい。
その一念から買う気を売り手に気取られ値をつり上げられたのです。
正直な態度がもたらせたマイナス面でした。
そこでその人は認めると云うことは損をする事ではないかと云う
疑問を持ったのです。
大かれ少なかれその思いをした経験は誰にでもある筈です。


実は僕は腹を割ると云う行為を良しとする
悪い(自分ではそう思っていない)癖があります。
良いものは認め、相手にも伝えるのです。


実は、著書の出版に際し依頼すべき仕事がありました。
その相手と数回の打ち合わせを繰り返し相手の力量を計り、
確信をもって全てを認め決定しました。


後日その方から打ち明けられた事があります。


『成嶋さんとのお仕事が決まった時、建前抜きで、
胸襟を開いて接してくださる成嶋さんに面喰らいました。
実はそれまで大人になることは、本音を隠し夢を失なって行くことの積み重ねが
成長であり、自分もそうしないといけないと思い込んでいたのです。
しかし、成嶋さんと接しているうちに、考えが変わっていきました。
人とも上手に本音を出せるようになり、人間関係がずいぶん好転したのです。
その上、もっと若かった時のように大それた夢も描くようになりました。』


その言葉を聞き、
これだ!この心を伝える為に本を書き、ブログを始めたのです。
本当の意味での目的が果たされた気がしました。
実際に著書が一万部売れたほどに嬉しく思いました。


駆け引き。
この言葉は正直嫌いです。
従って駆け引きして来る相手も嫌いです。
2~30年前、高価な時計を買う時は香港に行きました。
既に胸には何を買うかを決めてあり、先ずは値踏みです。
その店の人間の印象から入ります。
良くなければ直ぐに出ます。
良い印象を受けた場合僕の決め台詞があります。
貴方とこの店が気に入った。
この時計も気に入った。
僕は旅行者で時間が惜しい。
貴方がこの周辺でBestの値を提示すれば時間を無駄にせず、
貴方から買います。

大概はそこで正直に提示して来ました。
当然商売人として僕も周辺の値段は調べての上です。
それをしなければただの馬鹿正直で終ります。
その場合価格はUSドルで一万程度の物です。
やはり相手にも興味の湧く金額でなければ心は動きません。


取引では、欲しい気持ちに売りたい気持ちが合致して成立するのです。


今一つ、騙して少々高く売るより欲しい人に適正な値で売れれば幸せ。
欲しい人は適正な値段で買えればそれで良し。
それ以上に安く買おうとは思わないでしょう。
まともな商売にはさほどの上下はない筈です。
ならば気持ち良くが何よりではないでしょうか。



葉隠塾  成嶋弘毅


にほんブログ村 格闘技ブログ 空手へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ


ブログをご覧下さる方々へのお願い;
葉隠塾ホームページ http://www.yoin-juku.com/

コラム&武士道の欄を設けております。
ご覧下さいました方よりコメントなりメッセージを
ブログの方に頂けましたら幸いです。

宜しくお願い致します。