誉れは自分だけに与える | 日本空手道 葉隠塾東京本部 瞬機必殺の理

誉れは自分だけに与える

誇り、プライド、矜持と種類の多い表現ですが、誰もが気になる言葉です。
しかし、確信した自分の信念を赤の他人に伝えるのはとても難しのです。


それを、人は自慢とも自惚れとも取る可能性があります。
何故かと云えば、誇り、プライド、矜持の中に聞かせたい、
知らせたい、認められたい、誉められたい
が存在しているからです。


善行を語れば間違いなく自慢です。でも誰もがそれを誉められたいのです。
誇りも得々と語れば、何を自惚れてやがる。になるのです。


僕は良く人に、「沈黙は金也と云う美徳は僕の中にない」と云い切ります。
何故ならば、知らない人には云って聞いてもらわなければ
理解もされないと云う、観念があるからです。


まだまだ聖人の粋には遠く及びません。一生かかっても駄目でしょう。
ならば如何に他人に不快感を与えず、
自慢話が出来るか研究するほうが増しかも知れません。


赤ちゃんの時、親は子を誉め導きます。
そう、良い子ね。上手上手がそれです。
そして何時しか我々は誉められる事を求めるように躾けられて行くのですが、
長じてからは、逆に誇るな。自慢は慎ましさがない。と変わって行きます。


さて、ここで混乱を生じ、
ひねくれたりが始まる子も大勢いるのではないでしょうか。
何故良いことして云っちゃいけないの。になって当然かも知れません。


そこで子供に教え込まなければならないのが、他人の嫉妬や妬み心の怖さです。
教える方法として、嫉妬や妬み心を否定すると、
自慢は良いが妬みが悪いとなるのです。


子供達が中学校に上がる頃だったでしょうか、云って聞かせたことがあります。

「これからは大人達の世界の仲間になる。
良く出来たことや嬉しいことを話す時、友達のことも考えなさい。
良く出来ない子、嬉しいことのない子、そんな子もいるのです。
自分は良くても哀しい気持ちにさせてはいけません。
見せびらかすことになるからです。
大人は誉められないのでそっと一人で自分を誉めるようになるのです。
もう一人前のお前達は今日からそうしなさい。」


理解したかしないかは実のところ判りませんが、
ステップアップへのそれが儀式でした。


嫉妬や妬み心に対する注意では誤解を招くので、
友達に寂しい思いをさせないに変えて教えたのです。


今、聞いても三人の子供全員が覚えていませんが、
きっと潜在意識に埋まっていると思います。
必要な時に出て来るのだと信じてます。


「沈黙は金也と云う美徳は僕の中にない」は、形を変えただけです。
それをどう行うか、うちの子供達は見て覚えた筈です。
自慢はストレートで飲まず、割らなければならないと云う教えでした。


さらに、少々面白可笑しく自慢の語り方を教えてくれた落語がありました。
大きなお店の旦那が習い覚えた芸を自慢したい為に、
町の皆さんを招き、お料理やお酒を用意するのです。


ならば自慢を聞いてやろうかと云う落語の洒落ですが、
先輩が後輩に奢るのもこの例に倣ったものではないでしょうか。


「良いか、今日俺はな、ウン千万の契約を決めて来たんだ」
愛すべき大店の旦那と同じですね。



葉隠塾  成嶋弘毅


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