GK77A GSX400Sカタナ400 キャブオーバーホールNo.2 | ナルズ工場長の出来事

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皆様~~-v(* ̄・ ̄)。。o(コ)(ン)(ニ)(チ)(ワ)~

 

 

 

 

 

 

今日は梅雨らしい天気だけど

少し肌寒い。

たまにはこんな涼しい日もいいもんだ。

 

いつも月曜日は忙しいんだけど

今日は意外にも暇。

今日入庫予定の部品が一個も

入ってこないのです。

 

なんでか来ないのか不明ですが

これはきっと神様がたまには息抜きしろって

事だね!!と勝手に解釈して

近所の峠にでも流しにいくべか!!と

意気込んで用意していたら

突然の大雨…

 

戦士の休息もなく弄ばれてる運命(さだめ)な

オイラです(´・ω・`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は前回のカタナの

キャブオーバーホールの

続きです。

 

前回の内容はコチラ

 

 

 

 

 

前回キャブを車体から取り外し

単体にしたのでいよいよキャブをバラしていきます。

 

 

 

サクッっと全バラ

 

 

 

正確にはまだジェット類がついたままです。

 

←から1番になります。

 

当初の燃料フィルターの汚れ具合から

ある程度の汚れの蓄積は覚悟しておりましたが

ここまで汚れているとは。

少しビックリですわ( ;∀;)

 

1番から順番に汚くなってる感じがします。

1番に比べ4番はキレイですね。

 

これはバイクの停め方っていうか

サイドスタンドで停めていると左側に

車体は傾いてますおね?

そのせいだと思われます。

 

フロート室の底には

サビの粉が固まって沈殿しています。

 

 

 

 

特に酷い1番のフロート室

 

 

 

すごい有様でそ?

 

まぁサビの蓄積もすごいんですが

もっと見てほしいのがフロートのケースOリング。

 

なんかシルバーみたいなのが塗って

あるのが確認できると思います。

 

ちなみに通常、ここのOリングには

こんなものは塗られておりません。

 

と思います。新車から1度も開けてない

カタナ400のキャブを見たことがないので

わかりません。

 

塗るとしたら初期なじみを考慮した

ラバーグリスとかシリコングリスでしょう。

 

 

 

このシルバーは明らかに液体ガスケット。

 

 

確実に一度フロートケースを開けた

痕跡がありますね。

 

通常はここのケースのガスケットは

空けたら新品交換します。

特に再利用すると今回のようにガソリン漏れを

起こします。

 

 

ここからは憶測になりますが

元々調子の悪かったキャブで

いざ中古車として売れたので、本来なら

きちんとオーバーホールして販売しなければ

ならないところを、こういったガスケットや

Oリングなどの再利用不可部品を

そのまま使って販売したったんだと思います。

 

 

そしたらガスケットが古くなっていて

弾力もなく燃料が漏れてきた。

 

 

まぁゴムですからね…(゚д゚)(。_。)ウン

 

 

そらやべぇ!って事で液体ガスケットで

応急処置した。って事だと

憶測します。

 

 

このカタナは正式なバイク屋で購入しております。

(もちろん整備済みで)

なんかあってもノークレームな個人売買では

ありません。

 

オイラも数多く、不具合な中古バイクを見てきましたが

実際バイク屋で買った中古車も

けっこう今回みたいなケースが多いのが現状です。

 

もちろん全国すべてのバイク屋がこうではないと

思います。

しかしこういった手抜き?無整備?みたいな

バイクを整備済みと言って販売している

バイク屋も実際存在しているのが現状です。

 

中古バイクは信頼あるバイク屋から

購入しましょう!(^^)!

 

 

 

 

 

フロート室の底に

こんなにサビが蓄積しているので

キャブ内の通路やジェット穴にも

詰まりなどあるのが予想されますね。

 

 

 

 

細かく見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

フロート室の底以外にも

けっこう大き目なサビの塊が至る所に

発見されます。

 

後々詳しくやりますが

フロートの造りっていうか

フロートのステーみたいな造りが

独特ですね。

ここら辺もスズキ車特有の造りです。

 

 
 
 
 
さて
キャブ本体からジェット類を
外していきましょう。
 
ジェット類は真鍮で出来ていて
無理に力をかけて回すと簡単にナメます。
 
 
しかもマイナスで外すって言うね(´;ω;`)ウゥゥ
 
 
こんなキャブですから
想像はしていましたがめっさ固い。
前にバラしているんで
そん時にジェット外してはいると思うのですが
めっさ力いっぱい締めてんじゃん!
 
余りにも固く本当にナメそうだったんで
ジェットのマイナス溝にぴったりはまる
マイナスドライバーを新調し
なんとか取り外しました。
 
緩んだ時、「バキン!!」って
けっこう大き目な固着したナットを緩めた時に
出る様な音がしたでよw
 
 
 
ジェット取り外したキャブ
 
 
 
なんとか固着しているジェットを全て取り外し。
 
取り外したジェットの状態も酷かった。
 
外したジェット類の画像を取り忘れました…
スマソ( ノД`)シクシク…
 
ジェットはそのまま溶剤のつけ置きにして
汚れを落とします。
 
ジェットが外れたので
これで全バラと思いがちですが
まだ全バラではありません。
 
ここもちっとスズキ車特有のキャブの
造りでキャブの中にプラスチック製の
パーツがあるのです。
 
スロットルのニードルがささるところで
メインジェットから燃料を吸い上げる
ベンチュリーあたりの造りがプラスチックで
そこの部品が取り外せます。
 
 
これね
 
 
 
4つ写っている白っぽいのが
それです。
キャブの上側、ニードル側から引き抜けます。
 
ちなみに手前のフィルムケースみたいなのに
入ってるのがジェット類です。
 
 
 
んでね、
よーーーーく画像を見て欲しい。
 
 
 
並べてあるプラスチックパーツは
左から1番です。
 
 
 
そのパーツのジェットブロックが
つく根元にOリングがついていると思います。
 
 
 
 
それの1番のOリングが
無いのよーー!!!
エェッ!?(* □ )~~~~~~~~ ゚ ゚
 
 
 
 
決してバラしている最中に無くした訳では
ありません。
キャブ側にOリングだけ張り付いていたって
訳でもありません。
 
そう、はなっから
ついてなかったって事ですばい!!
 
 
まぁまぁでもね、Oリング如きで
騒ぐ事もないでしょうに?部品頼めば
いいんじゃね??って
ほとんどの方が思うでそ?
 
 
もちろん即注文しましたわ。
 
こんなOリングいくらもしねーだろ?
サクッと注文じゃい!ってね。
 
 
 
 
 
 
 
そしたら部品屋さんからの返答。
 
 
「このOリングって部品でないよ」
 
 
 
 
まじかーーーーー!!!!
 
 
 
 
 
っていうか
Oリングだけ出ないんじゃなくて
このプラスチックの部品自体も部品で出ないらしい。
 
 
 
頼むよ!スズキ!!
 
 
 
詳しく調べてもらったら
このプラスチックパーツの部品は
キャブASSYになるらしく単品で部品として
でないみたい。
要はここの部品がダメになったらASSYで
買えって事ですわ。
 
よってここのプラスチックパーツに
ついているOリングも部品で出ないよって
事なんですわ。
 
 
 
これは困った(´・ω・`)
 
 
まさかOリング欲しさに
キャブASSY新品で買う訳には
いかねーやね。
そんなんオーバーホールの意味ないじゃんって
なるじゃんね。
 
 
またもや憶測になるんだが
ここのOリングが無いのは前回バラした方も
知っていると思う。
だってここバラさないとOリング無くなりようが
ないしね。
バラした当人じゃないからわからんが
バラした時、ここのOリングがダメになっていたか
無くしちゃったかしたんだと思う。
 
んで、どうすんべ?ってなった時、
普通はなんかしらのOリングで代用したり
するもんだけど
フロートケースのOリングも交換しないで
液体ガスケットでごまかすくらいな奴なんで
ここのOリングも無いまま組んでしまったんだと
思う。
 
 
 
 
 
しかもここのOリングなんて
ここまでキャブをバラさないとわからないところ。
 
ここのOリングはベンチュリー通路
(キャブのスロットル通路)と
ガソリンが入っているフロート室の
シールをするためのOリング。
 
そんなところのOリングがなかったら…
キャブが詳しくない方でも
調子悪くなるってわかりますおね。
 
 
今までは4気筒のうち
3気筒のキャブが動いていたんで
調子悪いながらなんとか動いていたんだと
思います。
 
 
ちなみに
そのプラスチックパーツにジェットブロックが
ついているんだけど、その様子です。
      ↓
 
 
 
エッ(゚Д゚≡゚Д゚)マジ?
 
 
 
 
なんじゃこらーー!!
 
Oリングが無い1番のジェットブロックの穴は
なんとか大丈夫そうだけど
となりの2番はエライ事になっとるがな!
 
こんなんじゃ
ガソリン出ないでっせ!!
 
エンジンかからない原因は
こういった事なんでしょう。
 
かからない原因はこれだけじゃ
無い気がするけど
ここも原因の一つですね。
 
 
ここでもよく見てもらいたいんですが
2番にはOリングがついてますね。
 
ぺっちゃんこじゃね??(^・ω・^)....
 
 
 
これまずいおね??
 
 
 
なんでこんななる事がわかって
ここにOリング使ってるんだろ?
部品として出ないならOリングにしなければ
いいのに。
 
Oリングを採用しているなら消耗品でしょ??
 
んじゃ部品出してよ!スズキさん!!
 
 
 
 
じゃあ汎用のOリングで代用しようって
事なんですが
これがすごく苦労しました。
 
大概のOリングは規格があり
ましてキャブ内に使うOリングは
耐ガソリン、耐油性に優れていなければ
なりません。
 
※詳しくは各々でggtみてね('◇')ゞ
 
んで候補はNBRのOリング(ニトリゴム製)か
FKWのOリング(フッ素製ゴム)。
 
でも規格だと内径、外径で調べると
みんな太い。
 
あのプラスチックパーツの溝に
収まるには、もっと細いOリングじゃないと
ダメって事です。
 
そうすると規格外のOリングって事に
なります。
 
値段も上がります。
 
まぁ上がるって言っても
たかがOリングなんでそんなにしないけども。
 
すごい労力と時間を費やし
なんとか合いそうなOリングをゲット!!
※企業秘密のため、画像は載せません。ゴメンネ
 
 
これでやっと
オーバーホールのめどがたちました。
 
 
全バラにした
キャブのパーツを一つ一つ洗浄し
キレイに仕上げます。
特にキャブ本体の通路、ジェット類の穴などは
神経を使い入念に清掃します。
 
 
 
ピカピカ✨
 
 
 
ずっとこれにかかりっきりって訳じゃ
なかったけど、ここまでキレイにするのに
3日くらいかかりました。
 
メインジェットの穴の内側とか
削り過ぎちゃうと燃料の量が変わっちゃうんで
大変でした。
やはりメインジェット、メインジェットブロックと
燃料の通る穴などの詰まりが酷かったですね。
 
ガソリン漏れを起こしていたフロートケースは
ガスケット交換するのはもちろんなんですが
一応万が一的にケースの歪みや精度不足も
考えられますので
ケースとキャブ本体のガスケット当たり面を
オイルストーンにて面出ししてあります。
 
 
 
 
前回バラした方は
どういった意図でバラしたのか
わかりませんが、中途半端にバラして
組むだけじゃオーバーホールといいません。
 
またフロートケースだけ開けて掃除したり
するのをセミオーバーホールと言う方もいますが
そんなんはオーバーホールとは言いません。
ただの清掃です。
 
ここまで全バラにして
清掃、磨き、そして各位部品の計測を
行って消耗品を交換して調整していくのが
オーバーホールと言います。
(とオイラは思う)
 
 
 
 
これで清掃が終わりましたので
これからキャブを組み立てていきます。
 
 
ってところで今回はこの辺で('◇')ゞ
 
 
 
 
次回お楽しみに♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それでは
(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪