MC31 ホーネット フロントフォークオーバーホール | ナルズ工場長の出来事

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ナルズ・メカニックマイスターの営業・出来事のブログ

皆様(・ω・`*)ノ【。+゜コンニチワ。+】














すっかり梅雨が明け夏全開な日々でんな。


もう朝から汗だく!工場内ムレムレで長時間いると


マジで熱中症になるレベル。


もうエアコン必須です。エコなんていって


省エネしてると生死にかかわりますがなw





ブログ買いてる時は事務所でエアコン効いてるんで


ブログ書くのが大好きになりそうなオイラです(´∀`)





は~~~涼すぃ~~~~(´Д`υ)







まったりしてると事務所から出れなくなるね!


窓から見える外の景色や工場は灼熱地獄の如く


蜃気楼みえそうだよww














今回はホーネットの


フロントフォークのオーバーホール作業です。




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ホンダ MC31 ホーネット250








今だ250界では人気のホーネット。


通称「骨」。


今は250マルチなんてもうメーカーは作らないだろう。


しかもホーネットはCBR系エンジンなので


カムギアトレインエンジン。


こんなんもう出てないだろうね。





最近の250バイクは見た目は非常によろしい。


直線的なデザインも増えてかっこいいのばかりなんですが


エンジンがだめだ~~(´;ω;`)ブワッ


せっかくの見た目の良さもエンジンが2気筒やシングルで


ドコドコいってるのは美しくないぜ。


で、何?高年式のくせにパワー無いってか?


最悪でんな。


だからこのホーネット世代の250が好まれる訳で…


ホンダさんも400のスーパーフォアが売れてるんだから


250のスーパーフォア出してYO!


フォアって名前なら絶対に4気筒だろうしねw

















話それましたが


ホーネットの作業です。








オーナー様からフォークからオイルが出てきたから


修理の依頼。


しかもけっこーオイルが出ているらしい。








入庫して見てみたら


   ↓




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おおぅ!けっこー漏れとる!











もうフェンダーからホイールまでオイルでビショビショに


なるくらい漏れています。














こりゃーアカンね!





もしかしたら重症?










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フォークのスライド部分は


見た感じはそんなに悪そうには見えません。


オイル漏れを起こしているので


うっすらオイルで濡れていますが


大きな傷とかはなさそうです。


若干の点錆が気になるけど。


ちゃんとバラしてみないとわからんけどね~。
















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ぺろっとダストブーツめくってみました。








やっぱりオイルたまっています。


画像ではある程度ウエスで拭いてしまった後です。


最初はもっとオイルがありました。





もうこれはオイルシール交換ですね。


シールの劣化以外にも原因があるといけないので


オーバーホールします。











【注意】


オイラは基本は車屋ですがバイクの整備も可能です。


しかしベースは車の常識?で話進めてますので


整備書通りの手順、正確な部品名ではない場合が多々あります。


ご了承下さい。

















フォークのオーバーホールってのはフォークを分解し


洗浄、部品チェック。


消耗品交換、調整、フォークオイル交換です。





ってことはフォークを外さないと話は進まない訳で。





まずリフトアップします。


当店にはバイク用リアスタンドが無いため


普通にウマで上げます。


スタンドはもう少しバイクメンテの依頼が増えたら導入します。


値段もそんなに高価ではないから


そのうち入れるかもね。







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チェーンメンテするのにスタンドあると


めっさ便利おね。マジ欲しいよ。





そんな思いをしつつ


エッチラオッチラ上げます。





※バイクをジャッキアップする前に


 フロントタイヤの軸のナットとフォークキャップを緩めておきましょう。


 リフトアップしたあとだと不安定になるんで


 力をかけて緩めるところは先に緩めておきましょう。








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タイヤ取外し











フロントタイヤを先に外さないとフェンダーが取れません。


多分!


もしかしたら何とか知恵の輪的発想で先にフェンダーを


外せるのかもしれん。整備書とか見てないからわからんチンw


フェンダーをこうやってやるのかな?こうかな?って


悩んでる時間があるなら、さっさとタイヤを先に外してしまいましょうw





あ、先にキャリパーを外しときましょう。


ちなみにこのホーネットはキャリパー取り付けのボルトが


ユルユルでした。


振動でゆるんだのか前のメンテの時に締め忘れたか不明ですが


危険でしたね。


もちろん前のメンテは当店じゃないぜw



















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シュール










フォークがないホーネットちゃん。テラシュール。


なんかバイクに見えないw
















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フロントフォーク











やっとフォーク単体になったので


オーバーホール開始です。













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フォークオイル抜き








古いオイルを抜きます。


お、なんか想像よりキレイ。


オーナー曰く前回交換から5,000kmほどらしいっす。














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インナースプリング














インナースプリング、カラーを抜きます。


スプリングのピッチが狭い方が下側になります。


あらゆるスプリングをおさめるのに常識ですね。





たまーにダウンサスとかでピッチが狭い方を


上にしろって指定あるけど大体狭い方が下です。





裏技で逆に組むといいって話も聞いたことありますが


逆にしてもあまり意味ないのでわ?


スプリングの収縮の収まりは正規の組み方が良いと


思うので逆にはしませんが。













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抜いたオイル











色的にはキレイに見えますが


よく見るとキラキラ鉄粉混じってます。


画像悪くてわかりずらいですが


粉でオイル表面が波打ってます。











オイルとインナースプリングが抜けたら


インナーチューブを外していきます。










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ロックボルト











ここのボルトが緩められなくて


自分でオーバーホールを断念した方が多いと思います。


ヘキサゴンレンチの長めが必要となります。





しかもこんなに小さなボルトのくせに


頑丈に締まっています。


しかも緩み防止のロック剤が塗られているので


かなり強固です。





山をなめてしまうと


最悪な事態になるんで慎重に緩めます。





よくバイク屋さんでもやるらしいのですが


ここを先にバーナーで炙り


ロック剤を溶かしてから緩める方法をやるみたいですね。





それはどうしても緩まない時の最終手段にしときましょう。





フォークのアウターをバーナーで炙ると


もちろん塗ってあるペイントが剥げます。てか燃えますw


アウターはアルミで出来ている物がほとんどなので


あまり熱を加えると変形もします。





なんでキチンとした工具で緩めてみて


どうしてもダメな時だけにしましょう。


当店ではバーナー炙りは推奨しません。





今回は工具だけで緩みました。

















ロックボルトを外したらシールのクリップを外し


勢いよくスライドさせてインナーチューブを抜きます。


錆やゴミで固着している場合もありますが


ドライバーなどでこじったりすると悪化するばかりでなく


再利用できなくなる場合もあるので


慎重に、時には豪快にやりましょうd(・∀・)





なるべくまっすぐにやる感じですね。


スライディングハンマーをやる時みたいな感じかな。













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分解











フォーク構成部品になります。


オーバーホールと聞くと何か大それた事に


聞こえますが、構成部品はこんな物なので


意外と簡単?かもね。





各パーツを念入りにチェックして


傷や曲がり、消耗品の状態を確認します。
















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シール














フォークインナーシールは交換です。


ホンダではインナーシールとダストシールがセットに


なっていますので


もちろん両方交換します。













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クリップ














意外と再利用しちゃうバイク屋さんが多いクリップです。


1個たしか170円程度なんで交換がおすすめです。








これってけっこー錆びるんです。








錆びるというか腐るというか


ダストシールから水分が浸入し


これが錆たりするとシールに錆やゴミが


噛んでしまい、オイル漏れの原因にもなります。





オイラはこれが錆まくってボロボロになって


折れてシールが飛び出てきちゃったバイクを


見た事もあります。





当店は万が一もありますので


このクリップにもシリコングリスを塗布して


組み付けます。












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ブッシュ











2つのガイドブッシュっていうのかな?


フォークのキモですね。





ここが減ってきたり傷が入っていたりすると


フォークにガタが出たりします。


ブレーキかけてフロント荷重かけた時、フォークがバンプする時に


ガタガタってやる時はこれがダメだったりします。





よく点検してダメそうだったら交換です。


新品を組み込む時は慎重に。


オイラはブッシュの角取りをしてから組み込みました。








各部念入りに洗浄。


もうオーバーホールは洗浄や掃除がメインですよ。


部品交換も大事ですが


再利用する物の洗浄・掃除・磨きが大事です。





なんもかんも交換するなら


オーバーホールしないでフォークASSY新品に


すりゃーいいことだからねw








インナーチューブの状態は


点錆がけっこうある感じです。


ゆっくり触診して表面の凹凸を探ります。





本当なら交換するのが望ましいんですが


インナーチューブって高価ですよね。





あまり酷いものは交換ですが


小さな点錆だったので触って出っ張っている所は


軽くペーパーをあて、その後コンパウンドで仕上げます。


錆がとれるとメッキ部分がなくなり


凹んでしまいますが


凸しているよりはいいので


なるべく凹凸の無い様に仕上げます。





ここの仕上げは経験かな~~。








インナーにコンパウンドが残ってたりすると


新品シールへのダメージになるので


念入りに取り除きます。











バラした逆の手順で組んでいき、新品シールを組み込んでいきます。


シール部には必ずシリコングリスを使用しましょう。








洗浄→組み立て時は


手がめっさ汚かったので画像はありませぬ(´・ω・`)













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フォークオイル











組みあがったらフォークオイル注入します。





今回はワコーズを使用します。





メスシリンダーで規定量測ります。








【ホーネット250フォークオイル規定値】





オイル量  467cc±2.5cc


油面     110㎜














オイル量はあくまで目安です。


油面を優先して規定値を入れます。





乱雑に入れてしまうと空気を多く噛んでしまうので


ゆっく~り入れます。





オイルのエア抜きをして


ちょっと時間をおいてから計測するとベターです。



















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完成d(・∀・)














キャップを締めて完成です。


スプリングを入れる時も勢いよく


「ジャポッ!」ってやると、せっかく抜けた


エアーがまた入ってしまうので


コインゲームをやるように


ゆーーっくり入れます。










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ダービーに「グッド!!」と言われるくらいに


慎重に入れましょうw


















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装着











車両に取り付けてほぼ完成です。


シールの初期なじみを見るのに


いきなり乗ったりしないで


ハンドルに体重をかけて


ギッコンギッコンとフォークをスライドさせます。





余分なシリコングリスが出てきますので


乾いたウエスで優しく拭き取ります。











その後各部点検して


軽く試乗。


お客様のバイクは余り試乗はしないのですが


今回はインナーチューブの点錆の状態が


不安だったので試乗しました。
















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完成ヾ(´^ω^)ノ♪














試乗して問題ないので作業終了です。


(〃^∇^)oお疲れさま~








画像にはありませんでしたが


ホイールを外すついでにホイールのベアリングとシールの点検も


行いました。


異音、ガタもなく問題ありませんでした。


ホイールシャフト、カラーを洗浄、シールあたり面を掃除して


シールにグリスを塗布しておきました。

















フォークのオーバーホールは定期的に行うものらしいですね。


でもほとんどの方がオイル漏れなどの不具合を


起こしてからオーバーホールします。


オーバーホールまでいかなくても定期的に


フォークオイル位は交換したいものですね。








いんや~~バイク整備は腰にくる。


ほとんどがしゃがみ体勢だもん。





疲れた疲れた。











フロントフォークはバイクにとって生命線。


ハンドリングに影響はもちろんブレーキングも変化します。





よくフォークの錆の予防にCRCを塗る方もいらっしゃるみたいですが


CRCはシールをダメにする可能性があるので


やめましょう。


やっぱり薄くシリコングリスを塗って空拭き。これが


良いと思います。


塗り過ぎもよくありません。うすーーく塗り拭き取りましょう。


空拭きしてるとツルツルしてくるはずです。


その状態は表面に薄いシリコンの被膜が出来上がっていると


思いますので、それが一番良い状態かと思います。





マメなメンテが大事って事ですわ。














それでは


(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪