弟子の大和くんが、陽明先生に尋ねました。

 

 

(大和くん)

 今更なのですが、教えてもらいたい事

 があるんです。良知とは、良い知識と

 捉えていいのでしょうか?

 

 

(先生)

 大事なことは、その心、良知が、現在、

たった今、この瞬間に、大和くんの心の中に、

しっかり認識できて、その心が働いていると

いうことを、チェック(確認)することです。

 

 

大和くんの良知は、今、自分に対して、

何をしなさいと言っているのでしょうか?

何をすべきだと言っているのでしょうか?

 

その良知に正直であるという事、

常にその良知が働いていることを

自覚して、良知の動向に意識できる

ようにすること、それを学びというのです。

 

今、大和くんが良知に素直に生きれているのか?

良知に基づく言動がとられているのか?

その事のみに集中することです。

 

終わってしまった過去を気にしてみたり、

これからやって来る未来を不安がっても、

心が乱れるばかりです。

 

言葉の意味を考えるのも良いですけど、

それは、そんなに大切な事ではないですよ。

 

 

大事なことは、常に自分の心と向き合う事です。

心の動き【喜怒哀楽の感情】を静観する事です。

そして、その感情を大和くんが制御する事です。

 

【喜】の感情にあるとき、はしゃぎすぎて、

 他人に迷惑をかけていないだろうか?

 嬉しさのあまり、川に飛び込んでみたり、

 公共の交通に影響を与える運転を

 していないか?

 

【怒】の感情にあるとき、怒りを制御できずに、

 手が出てしまう事はないだろうか?

 必要以上に相手を怯えさせていないだろうか?

 

【哀】の感情にあるとき、必要以上の心配を

 していないだろうか?その心配から何か

 産まれるだろうか?哀しみの感情を知る事で

 相手に寄り添えないだろうか?

 

【楽】の感情にあるとき、自分の心に慢心は

 芽生えてないだろうか?心から楽しめて

 いるだろうか?この感情を知ることで、

 もっとたくさんの人達を笑顔にできないか?

 

これらのように、大和くんの良知に正直に

向き合っていく事を、継続する事で、見えてくる

世界観は、今日、この瞬間から変貌を遂げます。

 

忘れないで下さいね!