前田誠 氏の カジュアル スタイル(5)+パンツの仕立て | NARUのブログ

NARUのブログ

Love music Love fashion Love whisky

前田誠 氏の手掛けたカジュアル物もだいぶネタが尽きてきました。

 

今日はGALAMOND中期のコットンパンツ。諸事情により・・・ 私の身体の体積上昇に伴うパンツのフォルムとの適合性が低下し着用を断念のやむなきに至り・・・ つまりは太りました。

もう10年以上はけてないです。最近ちょっと痩せたのではいてみましたが、ボタンやチャックがギリギリで実際にはまだ使えませんでした・・・。今年こそはぜひまた着てみたい。

いつものツーインタック。腰ベルト裏地はストライプ柄。けっこうミシンが荒いです。カジュアル物は工場を変えていたのかも。

 

そういえば創成期のGALAMONDのパンツも膝裏地がありませんでしたがこれにもありません。

中期以降はずっと裏地有りだったのですが、これもカジュアル物ゆえの差別化かもしれませんね。

 

「股シック」は三角で、縫い代はロックミシンでかがってあります(左の画像)。最近は右の画像の様な、「蝶シック」とか「菱形シック」が多いですが、私はあまり好きではありません。

どうも「縫製を良く見せる為には中国や東南アジアの縫製工場とかだと「物を付けろ」という指示の方がマニュアルがわかりやすく、採用されているような気がする」んですよね(考えすぎ)。

 

一番好きなのはトラッド屋さんが良くやる「三角シックで手かがり」ですね。昔のエーボンハウスとかがそうでした(末期は「蝶シック」でしたが)。画像(左)は昔のリングヂャケット。

他に「パンツ裏」とか「総裏」と言うトランクス状の裏地が付いている物(右画像)も少ないですがあります。ちょっとモコ付きますが、暖かさはありますね。

 

 その他前田さんの手掛けたパンツの特徴の一つとして、「腰裏ベルト(マーベルト)」にはタックが必ずあります。創成期は、このベルトが腰部とスカート(タック)部が一枚布で仕立てられていると言う、古着以外では見た事が無い、非常にクラシックな作りでした。これは上下2分割。(ミシンが荒い・・・)

そして(このパンツは違いますが)前田さんの初期のこだわりは「天狗の持ち出し」を「袋縫い」にせず、表地を折り返しての仕立てにする事。縫い代がないので持ち出しが薄く、先端も縫い付けが必要ないので、スッキリと仕上がります。(左が袋縫い、右が折り返し縫い、厚みが全然違います)

 

余談ですが…。左の画像に見える「ピンループ」(バックルのピンを通して固定するパーツ)も最近良く見ますが、これも「縫製を良く見せる為には中国や東南アジアの縫製工場とかだと「物を付けろ」という指示の方がマニュアルがわかりやすく、採用されているような気がする」パーツですね。

 

そして前田さんのさらにもう一つのこだわりは「ベルトループの裏縫い付け」とでも言う仕様です。

良い画像が無くて説明が難しいのですが、ベルトループを腰裏に縫い付けて腰ベルトの上を廻し、下側も腰ベルトの裏に廻して縫い付ける。要するに「ベルトループの“縫い代”が表側に全く出ない」形となります。(拾い物画像ですが、初期「GALAMOND」です)

これは某オーダースーツのサイトからですが、上側の仕様だけソレっぽいです。下は縫い代が見えますが、上は無いのが分かりますでしょうか?

意外と前田さんはこの仕様にこだわられていて、「INCENSE」を担当された時にも当初からこの仕様になっていてビックリしました。「GALAMOND」では創成期~初期がこの仕様です。

 

この仕様があるのは知っていましたが、私が現物を見た事があるのは古着を含めても「INCENSE」と「GALAMOND」だけです。