婚姻届を書いていると、「新しい本籍」の欄でペンが止まってしまう人は多いのではないでしょうか。今住んでいる場所を書けばいいのか、実家のままでいいのか、そもそも自由に決めていい場所なのかもよくわかりませんよね。実は、新しい本籍は日本国内であればほとんど自由に選ぶことができ、実際の暮らしにはほとんど影響しません。この記事では、本籍地の決め方と、選ぶときに知っておきたいポイントを整理します。
本籍と実際の住所はまったく別のもの
本籍地は、戸籍がどこに置かれているかを示す情報で、実際に住んでいる場所や住民票の住所とは別の制度です。そのため、本籍地をどこに設定しても、郵便物が届いたり住民サービスが受けられなくなったりすることはありません。日常生活で本籍地を意識する場面は、パスポートの申請や婚姻届・転籍届など、戸籍にかかわる手続きをするときくらいです。結婚によって戸籍や苗字がどのように変わるのかは、結婚すると戸籍や苗字はどう変わる?夫婦同氏・筆頭者・本籍地の決め方で全体像を確認しておくと理解しやすくなります。
新しい本籍は地番があればどこでもOK
新しい本籍は、日本国内で地番が設定されている場所であれば、基本的にどこでも選ぶことができます。新居の住所やどちらかの実家をそのまま選ぶ人が多い一方、ふたりの思い出の場所や、皇居・富士山山頂・東京タワーといった有名なランドマークの住所を本籍にするカップルも珍しくありません。どこを選んでも法律上の効力に違いはなく、あくまで好みや覚えやすさで選んで問題ありません。
本籍地を選ぶときに考えておきたい発給の便利さ
以前は、本籍地が今住んでいる場所から遠いと、戸籍謄本を取り寄せるのに手間がかかることが本籍地選びの悩みのひとつでした。しかし2024年3月から戸籍謄本の広域交付制度が始まったことで、本籍地がどこであっても、全国の市区町村窓口で自分の戸籍謄本を取得できるようになっています。とはいえ、婚姻届そのものを提出する際の必要書類は自治体によって案内が異なることもあるため、婚姻届の出し方とは?必要書類・証人の条件から提出後の手続きまでもあわせて確認しておくとスムーズです。
引っ越しても本籍は自動的には変わらない
住民票の住所を変更しても、本籍地は自動的には変わりません。本籍と住所は別々に管理されているため、転居のたびに本籍地の手続きをする必要はなく、そのままにしておいても困ることはほとんどありません。ただし、本籍地が遠方だと感じるようになったり、戸籍の記載内容を整理したくなったりした場合は、あとから本籍を変更することもできます。
あとから本籍を変えたいときは「転籍届」
本籍地をあとから変更したい場合は、「転籍届」を提出します。届出先は、今の本籍地・新しい本籍地・届出人の所在地のいずれかの市区町村窓口で、戸籍の筆頭者とその配偶者、それぞれの署名が必要です。2024年3月からは戸籍全部事項証明書の添付が原則不要になり、届書1通で手続きができる自治体が増えています。受理されてから新しい本籍地で証明書が取れるようになるまでには、数日から10日程度かかることがあるため、急ぎで戸籍謄本が必要な予定がある場合は早めに手続きしておくと安心です。結婚にともなう氏名や住所まわりの手続きをまとめて確認したい人は、結婚後の名字変更手続き完全ガイドも参考にしてみてください。なお、国際結婚の場合は本籍地の決め方や必要書類の一部が異なることがあるため、国際結婚の婚姻届とは?必要書類・証明書の準備から在留資格までもあわせてチェックしておくと安心です。
よくある質問
Q. 本籍地を有名な観光地にしても本当に問題ないですか?
A. 地番が設定されている場所であれば法律上の問題はありません。ただし、本籍地の情報は戸籍にかかわる手続きで使うことがあるため、家族で共有しやすく覚えやすい場所を選んでおくと、後々の手続きがスムーズになります。
Q. 本籍地はあとからでも変更できますか?
A. 「転籍届」を提出すればいつでも変更できます。届出先は今の本籍地・新しい本籍地・所在地のいずれかの市区町村窓口で、戸籍の筆頭者と配偶者の署名が必要です。
まとめ
- 本籍は住所とは別の制度で、日常生活にはほとんど影響しない
- 新しい本籍は地番があれば日本国内のどこでも選べる
- あとから変更したい場合は「転籍届」で手続きできる
※ この記事は執筆時点(2026年7月現在)の制度情報です。手続きの詳細や必要書類は市区町村によって異なる場合があるため、届出前に届出先の市区町村窓口でご確認ください。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としており、法律上のアドバイスではありません。具体的な事案については、届出先の市区町村窓口や専門家にご確認ください。
参考資料:名古屋市・横浜市・中央区・千葉市・大田区・仙台市 各公式サイト戸籍関係手続きページ(2026年7月現在の情報に基づく)