SAKURA地域未来創生会活動報告 4


 

今回は佐倉市における児童虐待の現状について調査したことをご報告します。

 

1.佐倉市独自の児童相談窓口

前回の記事で書いたとおり、児童相談所は「政令指定都市及び中核都市(人口30万人以上)において設置できること」とされていますので、佐倉市には設置されていません。

佐倉市民の児童相談の窓口をご紹介します。

 

佐倉市独自の窓口

(1)児童虐待DV

家庭児童相談:佐倉市役所児童青少年課 電話:043-484-6263

(2)子育て

子育てコンシェルジュ:佐倉市役所子育て支援課 電話:043-484-6245 吉見光の子保育園 電話:043-309-8372

(3)障害相談

障害児相談支援・特定相談支援:佐倉市さくらんぼ園 電話:043-484-1050

(4)発達障害

佐倉市教育センター発達相談:佐倉市教育センター 電話:043-486-2400

すくすく発達相談:佐倉市健康管理センター 電話:043-485-612

ことばと発達の相談室:佐倉市健康管理センター 電話:043-485-612

(5)ひきこもり不登校発達障害心の健康

佐倉市教育電話相談室:電話:043-484-6611

他運営の窓口

(6)ひきこもり(千葉県)
千葉県ひきこもり地域支援センター:電話:043-209-2223
(7)不登校・いじめ・教育相談(教育庁)
北総教育相談室:北総教育事務所 電話:043-486-6019
(8)教育全般(千葉県)
千葉県子どもと親のサポートセンター:電話:0120-415-446
(9)児童の総合相談(児童相談所)
児童相談所:中央児童相談所 電話:043-253-4101
子ども家庭110番:中央児童相談所 電話:043-252-1152(児童虐待は24時間対応)
(10)いじめ・児童虐待(法務局)
子どもの人権110番:千葉地方法務局 電話:0120-007-110
(11)いじめ・家庭内暴力・犯罪被害(千葉県警察)
警察少年センター:電話:0120-783-497
(12)飛行・犯罪行為(法務省)
青少年の心理相談:千葉法務少年支援センター 電話:043-251-4970
 

佐倉市ホームページより:http://www.city.sakura.lg.jp/0000015912.html

 

(13)児童相談所全国共通ダイヤル 電話:189

 

2.佐倉市の児童相談の現状

佐倉市における児童相談の現状を調査しました。

下記のグラフは佐倉市が発表している「児童虐待防止活動まとめ」を集計したものです。(継続中のものも含まれています。今年度の「児童虐待防止活動まとめ(平成29年度分)」は記事を書いている時点で発表されていませんでした。)

 

 

出典:佐倉市「児童虐待防止活動まとめ」より:http://www.city.sakura.lg.jp/0000004627.html

 

平成28年度(2016年度)において、継続ケースが306件新規ケースが435件合計741件。佐倉市でも相談件数が増えていることが判ります。

新規ケース435件の相談経路を見てみます。

 

 

家族・親戚からの直接相談が多く、続き、児童相談所、教育委員会・学校・幼稚園、市福祉関係課の順となっています。

児童相談所が無いため児相からの経路は15.0%と低くく、保健センター・教委・学校・幼稚園・市福祉関係課合わせて32.0%市関係機関の担う役割が大きいことが判りますね。

 

内訳は、養護相談381件(うち児童虐待233件、養育困難児等環境的問題を有する児童、養子縁組に関する相談148件)、障害相談5件、育成相談47件(うち性格行動14件、不登校13件、育児・しつけ20件)、その他2件です。新規ケースの約54%が児童虐待に関する相談となっています。

 

市の児童虐待の相談体制は、児童青少年課のうち家庭児童相談班が担当しています。

人員は平成19年に6名、平成20年には7名、一時は8名体制となりましたが、現在は7名(班長:保育士1、保健師2、保育士1、事務職1、家庭児童支援員2)に戻っています。(平成29年3月31日現在)

 

3.児童虐待を調べていて感じたこと

児童虐待相談が増加していることは、不安要素では無く地域の眼が増えていて、現在は児童虐待問題が改善される戸口にあるのだと感じました。
また、色々な方のブログや論文も読ませて頂きましたが、児童虐待は様々なケースがあり、児童虐待なのかそうでないのか専門家でないと判断が難しいと感じました。
本当に虐待を行っている人は、自覚があるため児相を跳ねのけて隠れてしまいますし、親は純粋に教育として行っただけなのに、隔離されてしまう子どももいるようです。
これらは、児童相談所の職員が悪いわけでは無く行政側の体制作りに問題があると思うのです。
佐倉市においては、児童相談所が無いため市の担う役割は大きく市独自の体制作りが重要です。
 
私自身幼い頃は、悪いことをすれば父親にゲンコツされましたし、母親に正座させられ説教されました。
昔は「晩御飯抜き!」なんて普通でしたよね。今の考え方では虐待ですが……。(私は晩御飯を抜かれたことはありませんよ!)
 
家庭によって教育方針は様々ですので、単純に型に嵌めること無く、「子育ての多様性」を認識し、本当に虐待なのかどうかきちんと診断ができる体制作りが大切です。
また、相談することが当たり前という「相談しやすい体制」作りや、「未だに隠れた虐待事実の発見」に力を注いでいくことが必要ですね。