SAKURA地域未来創生会活動報告 1
佐倉市の少子化の現状を当会メンバーにて調査しましたのでご報告いたします。
1.少子化とは
少子化とは、単に出生数や出生率の低下を指す場合もありますが、
問題となるのは、
長期的に人口が安定的に維持されるとされる人口置換水準(日本では2.07:国連発表2016年)を、合計特殊出生率(一人の女性が一生の間に産む子どもの数)が下回っている状態が長く続いている状態です。
人口減少は緩やかであれば影響は少ないのですが、2.07を大きく外れる数値で推移していくと、急激な人口の変化で、社会保障制度が維持できなくなります。
つまり、そのツケを今の子ども達が、将来負担しなければならなくなるということです。
2.佐倉市の人口推移
佐倉市における人口推移を見てみます。
出典:内閣府「地域経済分析システム:RESAS」
内閣府が運営している「地域経済分析システム:RESAS」からのデータです。大まかなグラフはここから見ることができます。
RESASでは他にも様々なデータが可視化されますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
内閣府「RESAS - 地域経済分析システム」:https://resas.go.jp/
RESASの数値は、佐倉市発表の数値と差異があるようですので、2018年は佐倉市発表データ、2040年は国立社会保障・人口問題研究所の予測データで比較してみます。(社人研の予測に外国人が入っていないため、比較のために2018年データも外国人を抜いて算出しています。)
2018年8月現在:総人口 172,807人
・年少人口 19,896人(11.51%)
・生産年齢人口 99,048人(57.31%)
・老年人口 53,863人(31.16%)
2040年予測:総人口 144,686人
・年少人口 13,773人(9.51%)
・生産年齢人口 70,859人(48.97%)
・老年人口 60,054人(41.50%)
20年後には、生産年齢人口は28.45%減、生産年齢人口と老年人口の比率は1.83人から1.18人に減少します。
少し乱暴ですが、分かり易く言えば、
佐倉市では約20年後には働く人が約30%減るうえに、高齢者を支える負担が約2倍に増えるということです。
2015年に個人的に人口推移を調べたことがありましたが、ますます悪くなっています。
私は第二次ベビーブーム世代で、2040年頃にちょうど老年人口になる世代ですが、再度調べてみて、我が子の世代がこんな負担を背負わなければいけないのかと頭を抱えてしまいました。
この急激な変化は、まさに合計特殊出生率を維持してこなかったからだと言えます。
3.合計特殊出生率の推移
2017年確定値の合計特殊出生率を見ると、全国では1.43(厚生労働省発表)、千葉県では1.34(千葉県発表)、佐倉市においては1.15(千葉県発表)と、人口置換水準の2.07を大きく下回っています。
以下は、内閣府が発表している、全国の「出生数、合計特殊出生率の推移」のグラフです。
出典:内閣府
内閣府より http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/kokufuku/k_1/pdf/ref1.pdf
最新の2018年(平成29年)は推計数になっていますが、確定値では前述したとおり1.43です。
第二次ベビーブームに人口置換水準を超えたものの、その後はずっと低い数値のまま推移しています。
政府は、1989年(平成元年)の1.57を機に(1.57ショック)少子化対策を本格化させましたが、2005年(平成17年)には過去最低の1.26を記録しています。近年の推移を見る限りでは、少しずつではありますが改善されているように見えます。
それでは、佐倉市の合計特殊出生率の推移はどうなっているのでしょうか。
出典:内閣府及び千葉県
厚生労働省のデータと千葉県発表のデータを当会で独自編集しました。
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/tfr.pdf
千葉県:https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/toukeidata/kakushukousei/tokushushusshou.html
合計特殊出生率は全国的に見ても低い数値で推移していますが、佐倉市ではさらに低いことが解ります。
これでは急激な人口の減少が起きることは当然ですね。
長くなってしまいましたので、続きは次回にします。
2018/11/06:加筆修正(記事にご意見をいただいたため)