ひより
「しろっピー、この箱なに?」

しろっピー
「あとでやる保管庫だよ」

ひより
「なにそれ?」

しろっピー
「読みかけの本」

ポイ。

「返事しようと思ったメッセージ」

ポイ。

「片付けようと思った机」

ポイ。

「始めようと思った勉強」

ポイ。

ひより
「全部入ってる!」

しろっピー
「人類の発明だよ」

ひより
「ただの先延ばしでは?」

しろっピー
「違うよ」

ひより
「違うの?」

しろっピー
「あとでやるという希望を保管してるんだ」

ひより
「言い方だけ立派!」

しろっピー
「ちなみに保管庫は満杯です」

ひより
「だろうね」

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ひより
「しろっピー、なんでそんなに元気ないの?」

しろっピー
「昨日、“やる気”を売っちゃった。」

ひより
「売った!?」

しろっピー
「使わないと思って。」

ひより
「使うでしょ!」

しろっピー
「代わりに“二度寝したい気持ち”を大量購入した。」

ひより
「だから朝から転がってたの!?」

しろっピー
「しかも間違えて“月曜日のだるさ”を100個セットで買った。」

ひより
「最悪じゃん!」

しろっピー
「今なら“急に掃除したくなる気持ち”と交換できます。」

ひより
「いらない!」

しろっピー
「あと“謎の自信”もある。」

ひより
「それはちょっと欲しい。」

しろっピー
「ただし根拠は付いてません。」

ひより
「レビュー見せて。」

しろっピー
「★1。
『勢いで告白しました』」

ひより
「ダメじゃん!」

しろっピー
「★1。
『会社辞めました』」

ひより
「もっとダメじゃん!!」

しろっピー
「★5もあるよ。」

ひより
「何て?」

しろっピー
「『理由はないけど楽しかった』」

ひより
「評価基準どうなってるの!?」

しろっピー
「ちなみに今、一番高騰してる感情は…」

ひより
「何?」

しろっピー
「“あと5分だけ寝たい”」

ひより
「世界共通だね…」


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ひより

「しろっピー。」

しろっピー
「はい。」

ひより
「今日ね、学校で――」

しろっピー
「優勝!」

ひより
「まだ何も言ってない!」

しろっピー
「途中選手権だから。」

ひより
「何それ。」

しろっピー
「相手の話を最後まで聞かずに反応する競技。」

ひより
「最低な大会だ!」

しろっピー
「現在の世界記録は0.2秒。」

ひより
「早すぎる!」

しろっピー
「例えば。」

ひより
「うん。」

しろっピー
「昨日ね――」

ひより
「すごい!」

しろっピー
「失格です。」

ひより
「なんで!?」

しろっピー
「内容が何も分からない。」

ひより
「当たり前!」

しろっピー
「正解は。」

ひより
「うん。」

しろっピー
「昨日ね、天井からカボチャが落ちてきて――」

ひより
「何その話!?」

しろっピー
「最後まで聞いてください。」

ひより
「ごめんなさい。」

しろっピー
「大会終了。」

ひより
「え?」

しろっピー
「今、自分で優勝者が決まりました。」

ひより
「誰?」

しろっピー
「最後まで話を聞ける人。」

ひより
「そんな大会だったの!?」

しろっピー
「参加者が少なすぎて毎年困ってます。」

ひより
「ちょっと分かる気がする…。」


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ひより
「今日は何の大会なの?」

しろっピー
「世界で一番つまらない大会です。」

ひより
「誰が見たいの!?」

しろっピー
「第一競技。」

ひより
「うん。」

しろっピー
「壁を見る。」

ひより
「終わってる。」

しろっピー
「現在トップは3時間42分です。」

ひより
「記録あるんだ!」

しろっピー
「第二競技。」

ひより
「まだあるの?」

しろっピー
「特に何もしない。」

ひより
「壁見るのと何が違うの!?」

しろっピー
「壁がない。」

ひより
「誤差!」

しろっピー
「第三競技。」

ひより
「嫌な予感しかしない。」

しろっピー
「冷めたお茶を飲む。」

ひより
「地味すぎる!」

しろっピー
「優勝者です。」

ひより
「早い!」

しろっピー
「感想をどうぞ。」

優勝者
「まあ…普通でした。」

ひより
「盛り上がれ!」

しろっピー
「会場が大歓声です。」

ひより
「どこが!?」

しろっピー
「『へぇ〜。』」

ひより
「歓声じゃない!」

しろっピー
「そして来年はさらに規模を拡大。」

ひより
「何やるの?」

しろっピー
「特に予定はありません。」

ひより
「最後までつまらなかったーーー!」


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ひより
「ねぇしろっピー。」

しろっピー
「なぁに?」

ひより
「地球って説明書ないの?」

しろっピー
「あるよ。」

ひより
「えっ!?」

しろっピー
「ただし、誰も読んでない。」

ひより
「なんて書いてあるの?」

しろっピー
「まず1ページ目。」

ひより
「うん。」

しろっピー
『完璧に生きようとしないでください。故障の原因になります。』

ひより
「いきなり刺さる…。」

しろっピー
「2ページ目。」

ひより
「うん。」

しろっピー
『他人と比較すると正常に動作しなくなります。』

ひより
「それもよくやる…。」

しろっピー
「3ページ目。」

ひより
「うん。」

しろっピー
『失敗は不具合ではなく標準機能です。』

ひより
「まさかの仕様!?」

しろっピー
「最後のページ。」

ひより
「なになに?」

しろっピー
『人生に正解ルートはありません。どの道を選んでも物語になります。』

ひより
「……。」

しろっピー
「どう?」

ひより
「説明書っていうより、安心した。」

しろっピー
「だからみんな読む前に捨てちゃうんだよ。」

ひより
「なんで!?」

しろっピー
「読んだら焦る必要がなくなるから。」

ひより
「地球、難易度設定おかしいって。」


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ひより
「ここ、何のお店?」

しろっピー
「人生のネタバレ屋さん。」

ひより
「絶対入っちゃダメな店じゃん!」

しろっピー
「でも大人気だよ。」

ひより
「なんで!?」

しろっピー
「みんな不安だから。」

ひより
「うっ…それは分かる。」

しろっピー
「ちなみに100円で1つだけ未来を教えてくれる。」

ひより
「じゃあ聞く!」

しろっピー
「何を知りたい?」

ひより
「10年後の私、成功してる?」

しろっピー
「店員さん。」

店員
「それは言えません。」

ひより
「えっ?」

店員
「未来を知ると面白くなくなるので。」

ひより
「商売する気ある!?」

しろっピー
「じゃあ何なら教えてくれるの?」

店員
「人生で一番大事な情報です。」

ひより
「なに?」

店員
「今悩んでいることの95%は、3年後ほぼ覚えていません。」

ひより
「……。」

店員
「ちなみに残り5%も、大体笑い話になります。」

ひより
「それ知れただけで十分かも。」

しろっピー
「未来のネタバレって、出来事じゃなくて“安心”だったんだね。」

ひより
「なんか深いこと言った!」

しろっピー
「100円になります。」

ひより
「あなたが店員だったの!?」


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ひより
「わぁ!新しい博物館だ!」

しろっピー
「ここは“未来の黒歴史”を展示してるんだよ。」

ひより
「未来なのに黒歴史がもう決まってるの!?」

しろっピー
「うん。AIが予測した。」

ひより
「嫌な技術!!」

しろっピー
「あ、ひよりの展示がある。」

ひより
「えっ!?」

しろっピー
『2032年 勢いで買った健康器具』

ひより
「やめて!!」

しろっピー
『使用回数 2回』

ひより
「リアル!!」

しろっピー
『現在は洗濯物置き場として活躍中』

ひより
「未来の私、何してるの!?」

しろっピー
「あっ、隣もひよりだ。」

ひより
「まだあるの!?」

しろっピー
『2035年 絶対続くと思った趣味』

ひより
「見る前から怖い!!」

しろっピー
『継続期間 4日』

ひより
「短っ!!」

しろっピー
「ちなみに入館者人気No.1。」

ひより
「私の人生、展示物多すぎない!?」

しろっピー
「安心して。」

ひより
「何が?」

しろっピー
「出口に“来年の黒歴史予約コーナー”があるよ。」

ひより
「逃げ道ないじゃん!!」


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ひより
「しろっピー、今日の晩ごはん何がいいかな?」

しろっピー
「この世界では、その質問は禁止だよ。」

ひより
「え?」

しろっピー
「この世界の住人は全員、“食べたい物を決めるのが面倒”という理由で滅びかけたんだ。」

ひより
「そんな理由で!?」

しろっピー
「だから今はAIが勝手に決める。」

ひより
「じゃあ今日は何?」

しろっピー
「昨日と同じ。」

ひより
「それも滅びる原因だろ!!」

しろっピー
「ちなみに明日も同じ。」

ひより
「もう滅びていいかもしれない。」

しろっピー
「やったね。今日のメニューは“諦め定食”だよ。」

ひより
「名前まで終わってる!!」


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ある朝。

ひよりの頭の上に突然ボタンが現れた。

👍

ひより
「なにこれ!?」

学校へ行く。

発表する。

👍 3

転ぶ。

👍 28

変な顔になる。

👍 126

ひより
「なんで増えてるの!?」

しろっピー
「みんな評価してる。」

ひより
「転んだ方が評価高いじゃん!」

昼休み。

友達に親切にする。

👍 2

パンを落とす。

👍 89

ひより
「世界おかしい!」

しろっピー
「人類は昔からそう。」

放課後。

ひよりは考えた。

そして校庭で全力疾走。

盛大に転ぶ。

👍 12,483

ひより
「やった!」

しろっピー
「堕ちたね。」

その時。

校長先生の頭上に見たことのない数字。

👍 0

ひより
「えっ!?」

しろっピー
「誰も見てないから。」

ひより
「・・・。」

しろっピー
「評価されることより。」

ひより
「うん。」

しろっピー
「見てくれる人がいる方が大事なんだよ。」

ひより
「なんか急に良い話にしようとしてない?」

しろっピー
「バレた。」


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ひより
「しろっピー、急いで!」

しろっピー
「どうしたの?」

ひより
「リモコンが見当たらない!」

しろっピー
「さっきまで持ってたよね?」

ひより
「うん!」

しろっピー
「どこ探した?」

ひより
「机の上!」

ひより
「ソファの下!」

ひより
「棚の中!」

ひより
「冷蔵庫まで見た!」

しろっピー
「なぜ冷蔵庫。」

ひより
「わからない!」

しろっピー
「なるほど。」

ひより
「見つからないよ〜!」

しろっピー
「ちなみに今、何でテレビ見てたの?」

ひより
「え?」

しろっピー
「その右手。」

ひより
「え?」

しろっピー
「その右手。」

ひより
「……。」

しろっピー
「……。」

ひより
「持ってた。」

しろっピー
「持ってたね。」

ひより
「いつから?」

しろっピー
「最初から。」

ひより
「誰にも言わないで。」

しろっピー
「無理です。」

ひより
「なんで!?」

しろっピー
「人類の9割が同じことをやっているので。」

ひより
「そんなに!?」

しろっピー
「今日はあなたが人類代表です。」

ひより
「全然うれしくないーー!!」


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