ヤツの口癖


「~してあげてるのに」

「もう帰ってきてやらないから」

「被害者ヅラするな」

「死ね」

「謝れ」

「世間知らず」

「約束守れとか、こどもみたいなこと言わないでください!」

「意味わかんないし」

「だっけー?」




ほぼこれだけしか会話に登場しない気がします。


妹が「会話が成立しない相手」だということは何度か書いています。

まず、理屈が通じないこと。
ヤツは議論好きです。
最終目的は「あたしが正しい、謝れ」と言うこと。

学校サボって友達と遊び歩くのを注意された
→友達より学校が大事ってこと?
→友達ってとっても大事なものだよね?それを否定するの?
→やはりおまえたちは人として間違っている

というように、ヤツの主張は理屈がまるで通っていません。
でも、本人はこちらが呆れたり絶句するのを見て
「言い負かしてやった、やっぱり自分が正しい」
と勝ち誇り、それ以降はまったく話を聞きません。


もうひとつの癖は、こちらの話をそのまま「それはお前だろ」と返すこと。

たとえば
「黙って人の服を持っていかないで!」と言ったとします。
すると

「はあ!?こっちのセリフだ、お前があたしの洋服を盗んでるんだ!」

と来ます。実際、そういう事実はないので、具体的に
「私があなたから盗んだって、どの服のことよ?」
と聞いたりしても、答えられません。追及すると
「もういい。あたしが我慢すればいいんでしょ。
なんでこんな理不尽なことで責められないといけないの」
と泣くだけです。

「昨日自分が何したか覚えてる?物投げてここ割ったんだよ」
などと言っても

「それはお前がやったんだろ、あたしは見ていた。人のせいにするな」

不思議なことに言い逃れをしているわけでなく、
ほぼ本気でそう思い込んでしまっているようでした。

自分が責められたこと=他人が責められるべきこと

という思考回路ができあがっていたようです。

まるで鏡のように、自分のしたことはそのまま他人の行為にうつっていたらしい。

妹はボーダーの自覚はありません。
もしヤツに

「あなたは境界性パーソナリティ障害だよ」

と宣告したとしたら、それこそ確実に

「それはお前だろ、狂ってるのはお前だ、お前がボーダーだ」

と叫ぶと思います。


ヤツが最も頻繁に口にする言葉のひとつ

「死ね」


発症直後と思われる時期、
初めて「死ね!」と言われた時はかなりショックでした。

まだ「話せばわかる素行不良」と思っていた頃です。

忘れもしない、ヤツが久しぶりに帰宅した時のことでした。

「約束したよね?もう無断外泊も着信拒否もしないって」

と問い詰めた私に

「死ね!」

そう叫んだかと思うと泣きながら

「もうやだ、あたしもう耐えられない、こんな理不尽なこと言われるのムリ」


一瞬、ヤツを不当に追い詰めているような錯覚に襲われました。
実の妹に「死ね」と言われるほど憎まれるなんて…
と自己嫌悪に陥りました。

今はもう「死ね死ねマジ死ね」を聞き慣れすぎてなんとも思いません。

ヤツにとっては呼吸するのと同じくらいの言葉なのかもしれません。


「死」といえば、
ボーダーの人は9割「自殺未遂・リスカ」をすると聞きますが、
ヤツはそれは全然やりませんでした。

「死ね」とは言うけど「死ぬ」とは言わなかったです。

死ねでも死ぬでも、もはやどっちでもいいですけど。