「星とレゲエの島」角川文庫
1980年代の本である。山川健一という人の本だ。今は絶版らしい。
最初にきれいな現地の極彩色のグラビアページがあり、そこに短い会話が書いてる。それがとても印象深く、そのインパクトが強くて、結局本編のほうを読むことはなかった。

ふと思い出し、本編の方も、古本を探して読んでみようか?という気になったが、やめておこうかなという気も起きた。あのときのインパクトを、上書きすることなく、そのまま心に持っている方が、なんだかいいような気がしたのだ。

もう何年もあっていない、若いときに好きだった女の子。記憶には10代の映像しかない。その子にいま会いたいと思わないのと似ているかもしれない。
記憶を上書きしたくないのだ。

記憶の中では、あの時の彼女が、あのままの姿でそこにいる・・・。