視力が悪くメガネをかけている場合、
口呼吸でよく噛めていない可能性が考えられます。
なぜなら、視力に深く関係している毛様体筋と、
噛む筋肉である咀嚼筋は連動しているからです。
専門的なお話になりますが、
重要なポイントですので、
掘り下げて解説していきましょう。
ひと昔前、子どもの視力が低下する原因は、
テレビゲームのやりすぎ、スマホの見過ぎだと言われていました。
「目が悪くなるから、明るいところでテレビを見なさい」
「スマホばっかり見ていると、目が悪くなるよ」
このように、お子さんを叱る
親御さんは少なくなかったのです。
たしかに、テレビゲームのやりすぎ、
スマホの見過ぎは視力の低下につながります。
しかし、現代の子どもたちの視力が
低下している原因は、それだけではありません。
◆噛むことと視力は繋がっている
先に触れた咀嚼筋は、毛様体筋に隣接する
重要な筋肉のひとつです。
口呼吸をしているとよく噛めずに
咀嚼筋が十分に発達しないのです。
連動している毛様体筋の働きに悪影響を及ぼしてしまいます。
毛様体筋はモノを見るときに
ピントを合わせる働きがあります。
これが十分に発達しないと、
視力低下を避けることはできません。
また、北里大学の浅川賢先生は
噛むことと眼輪筋の血流の変化を調べて、
ガムを噛んだ後は酸素化ヘモグロビン相対濃度が
上昇したと報告されています。
つまり、咀嚼が目の血流をよくするということは、
噛まなくなったことによって目の機能に何らかの
悪影響がでているということになります。
◆では、なぜ噛めない子供が多くなったのでしょうか。
神奈川県下の小学生低学年を対象にした
学校給食を食べるときの噛む実態調査を実施しました。
噛まない児童と噛めない児童が
半数以上いるということが分かりました。
噛まない要因は軟らかい食べ物と牛乳での流し込みです。
また、噛めなくなってしまう原因は
早すぎる離乳食も原因になっています。
離乳食は早くても1歳くらいから与えることが理想的です。
早くから与えてしまうと、食べ物を噛まずに
飲み込むクセがついてしまうのです。
かみ合わせの力が低下してしまいます。
つまり、咀嚼筋が適切に発達しないのです。
このように、咀嚼筋が発達していない子どもたちは、
ご飯やガムなど軟らかめの食べ物を食べたとき、
「硬い!」「噛むのが面倒くさい」などと答えることがあります。
加えて視力が悪くメガネをかけているとなれば、
口呼吸になってよく噛めていない可能性が大です。
これらのことからわかることは、子供たちは噛まなくなったのではなく、
社会が「噛まなくても良い環境」を作ってしまったことに
原因があると考えられます。
すでに全世界の人1/3 が近視で、子供の視力低下が
世界で問題にいる今、私たち大人は子供たちがしっかりと
噛んで食べられるような環境作りができるかどうか、
これがポイントとなるでしょう。

