元々高校中退で飲食業界に入った彼は俺より歳が6歳下で、妙に馬の合う奴で当時は毎晩のように仕事が終わると呑みに行ったもんです。
そんな彼から春先以来の連絡が。
その時はコロナ禍突入時で、互いの近況や先輩後輩の情報交換を楽しく話しました。
深夜の着信《K》の名がディスプレイに。
少し声がたどたどしい。
聞けば・・・
7月に入院、手術を執り行ったと。
ステージ2の食道癌だったそうだ。
今は自宅で療養。
好きな煙草もやめたと🚬
医者曰く酒は程々なら・・・
との事で少し呑んでるらしい。まあ、奴らしい。
そんなこんなで無職になってしまったK。
弱気な発言だけが目立つ。
俺の話は理解してくれるが、どうにも沈んでる感が否めない。
彼と働いていた時、兄貴分のように可愛がってくれたYさんという先輩がいた。
俺もKもYさんが大好きで、3人が遅番シフトの時は必ず呑みに行っていた。
そんなYさんもその数年後、不慮の事故でこの世から旅立ってしまった。
「なあ、K。Yさん憶えてるよな。今のKを見たらYさんきっと怒るぞ!」
するとK
「俺、Yさんから貰った財布今でも持ってるんです。今、机の上に出しました」
彼の声は完全に嗚咽に塗れていた。
「だからさ、Yさんの分って言うと変だけどよ、しっかり俺達生きなきゃいけねんじゃねえのか?」
・・・・・・・・・・・
少しだけ元気になって電話を終えました。
後輩に出来ることは限られてます。
それが『金』であれば金。
『言葉』であれば言葉。
25年も付き合ってますと兄弟みたいなKです。
見舞金という名目の《エール》を贈る約束もした。
まあ、戦友でもあるしね。
何しろ俺に連絡してくれたのが嬉しかったんです。
体調を戻して、体力を付けて、また元気に社会に復活するKを少しだけ支え、25年前のあの日のように一緒に酒が呑める日を楽しみに待ちたく思う。心からね。
※今週のg.o.sは、19.20.21日営業です❗️
22日(火)店休となります。