<ゴルフ会員権の評価を知るには>
久し振りにゴルフ会員権の評価をする場に居合わせました。
昔は、ゴルフ業者に聞くことよりも、日経産業新聞で評価した記憶があります。
日経産業新聞は確か週に1回(2回だったかもしれない)関東のゴルフ場の相場を掲載していました。
今のようにインターネットが普及しているわけではないので、こういう媒体で情報を得ていたのです。税理士会のデーターベースにもあって、FAXでお願いすると、日経産業新聞をFAXで返してくれました。
それでもわからないとき、または心配なときは税務署に行って聞いたものです。税務署は国税局から情報が回ってきていて、その会員権の相場はきちんとわかっています。
会員権の取引は相対で行われるので、同じ日であっても、価額が違うことは良くある話なので、課税時期に評価をするのは微妙な仕事です。そこで、税務署はある程度幅を持たせた評価をしていたのではないかと考えられます。最頻価額というのがあって、最も多く取引された価額で申告するようにしたという記憶があります。
最近はインターネットですぐに取引価額がわかるようになっているんですね。
しかし現在でも、ゴルフ会員権の精通者意見価格として、各国税局から管内所在のゴルフ場に関して調査した資料(『ゴルフ会員権(個人正会員)の精通者意見価格等一覧』)が公表されていますので、課税時期における通常の取引価格の算定のための資料として活用することが可能です。これは直接税務署に行って聞くしかありません。
<追加預託金のあるゴルフ会員権>
ところで、このゴルフ会員権の評価については、平成11年3月10日付課評2-2他による財産評価基本通達の改正の時に、評価方法が改められています。
そこで、今回問題になったのが「追加預託金」です。
財産評価基本通達211(1) では次のように書いてあるんです。
(イ) 取引相場のある会員権(評基通211(1))
① 下記②以外の会員権
課税時期における通常の取引価格の70%に相当する金額
② 取引価格に含まれない預託金等がある会員権
イ 預託金等が課税時期において直ちに返還を受けることができるものである場合
課税時期における通常の取引価格の70%に相当する金額とゴルフクラブの規約等に基づ
いて課税時期に返還を受けることができる金額との合計額
ロ 預託金等が課税時期から一定の期間を経過した後に返還を受けることができるもの
である場合
課税時期における通常の取引価格の70%に相当する金額とゴルフクラブの規約等に基づ
いて返還を受けることができる金額の課税時期から返還を受けることができる日までの期
間(注)に応ずる基準年利率(短期、中期及び長期に区分して、四半期ごとに3か月分をまと
めて個別通達により公表)による複利現価の額との合計額
(注) その期間が1年未満であるとき又はその期間に1年未満の端数があるときは、これを1年とします。
以前は、このような追加預託金はなかったのですが、最近では、ゴルフ会員権を取得〔募集による取得を除く。〕した後に、名義変更に当たって名義変更料を支払う以外に、ゴルフ場の運営会社に追加の預託金を支払うゴルフ会員権も見受けられます。
このような追加預託金の支払を必要とするゴルフ会員権については、当該追加預託金の支払とその取引相場(通常の取引価格)の形成との間では、次のような関係になります。
① ゴルフ会員権を取得した都度に、当該取得者が追加預託金を支払い、その後、当該取得者が退会又は譲渡をした際に当該追加預託金の返還を受けるもの。(この場合、追加預託金はゴルフ会員権の取引価格の形成要因にはなりません。)
② ある時点のゴルフ会員権の取得者が、追加預託金を支払うことにより、当初の預託金と一体化して、その後におけるゴルフ会員権の取引価格の中に織り込まれて取引がなされるもの。
注意するべきは、①のような会員権で、取得者は、通常、ゴルフ場の運営会社と直接に追加預託金の授受を行うもので、退会時には返還されます。ゴルフ会員権の取引業者等はこれに関与せず、取引価格の中に織り込まれませんので、取引価格とは別個に評価を行う必要があります。
そこで、この会員権については、その評価額は、次に掲げる算式により求めることになります。
(算式)
課税時期における通常の取引価格×70%+追加預託金