無病息災という、健康そのものな人のことを指す言葉があるが、何か持病があってその持病が寛解して、その病とうまくつきあい、体のことによく気をつけることにつながって、その後比較的健康に過ごしていける、というポジティブなニュアンスを活かした「一病息災」という言葉もメジャーになってきた。
 私も、若いころに胃の調子が悪くなり、胃カメラをのんで胃ポリープがみつかったけど、良性のもので、その後、年に1回の胃カメラでの経過観察が続いているが体調に気をつけながら過ごしている。ここまでの話だと、私も一病息災を目指せばいいのだけれど、私の場合は、その後胃ポリープ以外に、いろいろな病気になってきた。
 24歳のとき、2回入院する大病を患ってから、徐々に病も増えてきたけれど、現在は、胃ポリープ、脂肪肝、アレルギー性鼻炎(花粉症など)、高血圧症、五十肩、変形性膝関節症...と、どんどん病が増えている。水虫など、比較的軽度なものも数え上げると、10をこえるも病気と「共存」している。「一病息災」もいいけど「十病息災」もいいかな、と思っている。それを「一般化」すると「多病息災」という言葉になるんだけど、この言葉は私の造語、ということにはならないことが、Web検索しててわかった。少なくとも、以下の2点の出版物でこの言葉が使われている。
 新しい言葉を造語した、と思っても、よく調べてみると自分より前にその言葉を考案して使っている人が見つかることは結構多いもので、自分がオリジナルであったり、自分が広く世の中にその言葉を流行らせた、というふうになるのは難しいものだ、と思った。

佐藤 博道 (著)
多病息災にくらす健康生活術―病気も老いも仲良くつきあう22章
2008/6/6 吉備人出版

森 惟明 (著)
米寿を迎えた脳神経外科医の多病息災健康術
2022/12/13 オンデマンド (ペーパーバック)