国土交通省の「日本の河川技術の基礎をつくった人々・略史」(参考文献1)でも紹介されているように、甲斐の戦国武将、武田信玄は、山梨県の砂防の祖、ともいうべき仕事をしています。今回の「山梨推し水ツアー」は、その足跡が見られるポイントを巡るツアーです。
 訪れるポイントは、山梨県砂防課の「山梨県/山梨の砂防の歴史」(参考文献2)で紹介されている、①石積出(いしつみだし)、②将棋頭(しょうぎがしら)、③割羽沢川(わっぱざわかわ)、④高岩、⑤信玄堤(しんげんづつみ)です。上記の、②将棋頭は、複数ありますが、代表的なものは六科(むじな)将棋頭です。これらは、糸魚川-静岡構造線沿いの、急峻で崩れやすい南アルプスの谷からものすごい勢いで流れ下ってくることの多い御勅使川(みだいがわ)と、富士川の上流の釜無川(かまなしがわ)の合流点から、広範囲に甲府盆地の田畑や家屋を大洪水に巻き込んできた水害を防ぐための、江戸時代を代表する砂防工事がわかるポイントです。
 それぞれのポイントについては、Web検索していただければ詳しい説明を読むことができますが、このツアーの最初に、山梨県立わかば支援学校正門のすぐ真ん前にある、2014年3月に整備されたばかりの桝形(ますがた)堤防に最初に行っていただいて、展望デッキの前にある看板「御勅使川・釜無川の伝統的治水・利水施設」の地図をみていただくと、この砂防システムの地理的概要が把握できるので、おすすめです。また、
 これらのポイントを巡るには、車や自転車などがよいと思います。
 あと、4月にこのルートを巡るのでしたら、4月15日にしていただくと、上記の⑤信玄堤で行われる水防祭である通称「おみゆきさん」(参考文献3参考文献4)をみていただくと、武田信玄がいかにして、この暴れ川に対処してきたかが、さらにわかると思います。

・参考文献
(1)日本の河川技術の基礎をつくった人々・略史 https://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/kasen/rekishibunka/kasengijutsu11.html
(2)山梨県/山梨の砂防の歴史 https://www.pref.yamanashi.jp/sabo/114_019.html
(3)令和6年度おみゆきさんを開催します!/甲斐市 https://www.city.kai.yamanashi.jp/kosodate/events/7484.html
(4)おみゆきさん(甲斐国一宮浅間神社例大祭大神幸祭)|NPO 日本の祭りネットワーク https://www.nippon-matsuri.net/report/omiyuki/