大相撲1月場所は、新大関安青錦の連覇となりました。群雄割拠の今の土俵で、結局は安青錦が抜け出した、という感じでした。

 

新大関で臨んだ今場所は、少し違う面を見せていた安青錦。

 

これまでは足腰の強靭さはもちろんですが、中に入っての相撲の巧さを言われることが多かったと思います。

 

今場所は、廻しを引いてからの強さが目立ちました。勝ち方も、巧い勝ち方より強い勝ち方が増えたように見えました。

 

そして、今後さらに強い勝ち方になって行きそうな雰囲気も感じさせる安青錦です。

 

優勝決定戦の首投げも、苦し紛れの逆転に見えないところが凄いのです。

 

かつての朝青龍の、逆転の下手投げや小手投げに近い印象が有って、運良く逆転ではなく、当然の逆転って顔をしていた朝青龍に通じるものがあった、決定戦の安青錦でした。

 

さて、負けた熱海富士。大きくなりました、小錦みたいです。

 

安青錦の体を起こしたのは大したもので、間違いなく力をつけています。

 

何と言っても上位戦は4戦で3勝1敗ですから、大関候補となりましたね。来場所、注目です。

 

今場所はベテラン勢も頑張りました。

 

高安が、今の実力が伯仲している上位陣の中で、関脇で勝ち越したのはお見事でした。

 

強いです。まだまだ、優勝を期待できますね。

 

次に若隆景、大関レースからは少しペースダウンですが、31歳になっても、今場所の9勝6敗の中で5敗は、横綱・大関・関脇ですから、下位には星をほとんど落としていないんですから。

 

霧島とともに、大関レースに復活して欲しいですね。

 

そして注目されていた旭富士、確かに間違いないですね。一気に上がってきますね。

 

もう一人、幕下の丹治。前相撲から期待していた丹治が、いよいよ来るのではないかと思っています。

大相撲1月場所も千秋楽となりました。

 

14日目、安青錦は大の里の牙城を崩せませんでした。

 

大の里の攻めも何と言うか、容赦ないと言うか、のど輪ではなく「ほほ輪」が強烈でした。

 

右の「ほほ輪」からの追撃は左ではなく、右の「逆ほほ輪」で決めてしまいました。

 

あの攻めだから、安青錦は態勢を立て直す間もなかったですね。左のおっつけだけだったら、安青錦に反撃のすきを与えていたでしょう。

 

あの大きな体で、状況に応じた動きが出来るのが、大の里の凄さですね。

 

豊昇龍は、豪快に琴櫻を投げました。先日も書きましたが、豊昇龍はこの相撲のような思い切った相撲が合っています。

 

安青錦戦でも、豊昇龍の右に注目していました。これも先日書きましたが、左四つ右上手でも良いんじゃないかと思っていました。

 

しかし豊昇龍は、まずは右を差しに行くという選択。差せずに、前捌きからの展開では、安青錦の動きに圧倒されました。

 

上手でも下手でも、豊昇龍は廻しを引いて安青錦の動きを止めて・・・、などと言っても、これまでの安青錦戦で、たぶん一度もまともに廻しを引かせてもらえていない豊昇龍。

 

ヒザの影響もあるのでしょう、来場所に期待です。

 

さて安青錦と熱海富士、今場所も決定戦をみたいですね。

さて昭和の大相撲、次は誰を書こうと思って、前回の玉の海のブログを見返してみると、ちょっと物足りないと感じました。

 

以前のブログで似たようなことを書いたこともありましたけど、もう一回、玉の海について書こうと思います。

 

玉の海の成績について、最後の場所は虫垂炎を発症していたこともあって12勝3敗に終わってますので、実際の全盛期と言える、その前の6場所を見てみます。

 

昭和45年9月場所、14勝1敗で優勝。横綱北の富士に星を落とす。

 

昭和45年11月場所、14勝1敗で優勝。横綱大鵬に星を落とす。

 

昭和46年1月場所、14勝1敗で優勝同点。横綱大鵬に星を落とす。

 

昭和46年3月場所、14勝1敗で優勝。大関前乃山に星を落とす。

 

昭和46年5月場所、13勝2敗で準優勝。横綱北の富士・大関清國に星を落とす。

 

昭和46年7月場所、15戦全勝優勝。

 

この一年間で金星はおろか、関脇・小結にも星を落としませんでした。

 

当時、横綱は玉の海に大鵬と北の富士。大関は琴櫻・清國・大麒麟・前乃山の4大関。

 

三役は最強関脇の長谷川。次代を担う、輪島・貴ノ花・三重ノ海・大受、巨漢の高見山、巧者の栃東、曲者の藤ノ川、張り手の福の花と幕内上位も層が厚いものでした。

 

ライバル不在だった朝青龍や白鵬と違って、大鵬や北の富士と競ってのこの成績ですから、いかに充実していたかが分かります。

 

これほどまでに下位力士に星を落とさなかったのは、四つ身の型を持っていたことに加え、その相撲が吊り寄りを中心にした、安定した取口だったことが上げられます。

 

玉の海の場合は吊り寄りではなく、正確に言うと「寄り吊り」でした。

 

一旦吊ってから寄っていくのではなく、寄りながら、腹に乗せて吊る、いわゆる「腰で吊る」吊り出しでした。だからこその安定した取口でした。

 

玉の海は吊り出しを得意にしていたため、後年のSNS等で「玉の海は抜群の背筋力でうんぬん・・・」と語られることがありますが、決してそんなことはありませんでした。

 

当時、背筋力の強さで吊っていたのは若浪と明武谷です。

 

 

若浪と明武谷の吊り合いですね。

 

もう一つ、玉の海の吊りについて言えば、とにかく美しい吊り出しでした。

 

数年前に把瑠都が吊り出しを見せたとき、相手力士が何の抵抗を見せなかった場面で解説の北の富士が、「シャケじゃないんだから」と言いました。

 

背筋力で吊れば、上に引っこ抜くように吊りますから、抵抗しないと相手力士はシャケになります。

 

対して「腰で吊る」と、上ではなく斜め上に吊るようになります。

 

こんな感じで。

 

 

琴櫻がシャケならぬ、シャチホコのように吊られています。

 

残念ながら玉の海の吊り出しは、画像も動画も、あまり残っていません。

 

巨漢の高見山を、本当に目よりも高く吊り出した画像が残っていればなぁ、と今でも思います。

大相撲初場所3日目の大の里VS宇良については、様々な意見があるみたいですね。

 

この一番では、大相撲における「死に体」の議論がポイントのようです。

 

「死に体」とは、まず一つに、自分の力では元に戻れない、原状復帰できない状態を言います。大の里VS宇良においては、宇良が「死に体」になっていたという判断だったと思います。

 

ただ、もう一つの要素が抜けていると思いました。それは、攻めているか、いないかです。

 

古い話ですが、北の富士VS貴ノ花の「かばい手」が問題になった一番で、貴ノ花の体は生きていたのではないか、という議論が当時ありました。昭和47年1月場所の話です。

 

攻めているならば、体は生きていると判断するべき、という声がありました。

 

例えば、打っちゃりという決まり手も、打っちゃりをかけている力士は、後ろに倒れながらも「死に体」とは判断されません。

 

これは倒れながらも、打っちゃりという技を掛けている、つまり攻めているからです。

 

だから、どのタイミングで「死に体」と判断するかは、非常に難しいものです。

 

もう一つ、足が返るという場面があります。足の甲や、足の指が土俵についたときに言われますね。

 

これも、攻めているか、いないかで判断が変わります。

 

完全に相手力士の引き技で足が返ってしまえば、これは即座に負けとなります。

 

しかし、押し込んでいるときの力士の足が返った場合は、アドバンテージというか、甘めに判断されます。

 

実際のところは、今の審判委員の判断がどうなのか分かりませんし、私は大鵬や柏戸のころから見ている経験の中で話しているに過ぎません。

 

それでもその経験の中で見るに、大の里VS宇良での宇良は、最後まで攻めていたように見えます。勝負は、宇良が有利だったという見解です。

 

今日はそれだけ書きたかったので、これにて失礼いたします。

いよいよ、1月場所が始まります。

 

横綱昇進後、まだ優勝していない豊昇龍。

 

横綱昇進が時期尚早だったという声も聞かれますが、確かに共感する部分もあります。

 

数字の上で甘い昇進だった、とは思ってはいません。相撲内容で物足りなかった、と思っていました。

 

豊昇龍が数少ない横綱候補であることは、以前のブログでも度々書いていました。しかし、私がイメージする、横綱に相応しい豊昇龍の相撲とは程遠い相撲内容で、綱を張ることになった豊昇龍。

 

特に右四つになったときの型が物足りないままだったし、その欠点をつかれて星を落とすことも多かった、と思います。

 

足腰は強靭な豊昇龍ですが、腰は軽く、横から攻められると脆さを見せることしばしばでした。

 

その辺りの豊昇龍の長所も短所も、初代若乃花に似ていると思います。攻めの荒っぽさも似ています。

 

若乃花は立合いに変化して上手投げ、といった感じの理不尽な相撲も取っていました。呼び戻しの叩きつけ方も理不尽でした。

 

それで「土俵の鬼」として人気を博した若乃花でしたが、豊昇龍もそれだけの可能性を持っていると思います。大の里や安青錦が優しい顔立ちをしていますし。

 

9月場所、11月場所と、相撲内容は良くなっていると感じます。しかし、安青錦には勝っていません。

 

やはり右四つになったときに、受けの形になりやすい豊昇龍の一番の短所に付け込まれての負けが多いですね。

 

左四つ、右上手で捕まえるというのも面白いと思うけど、ただ序盤の突っ張り合いで負けてるから、横から攻められているというわけで、そう簡単には捕まえられません。

 

とにかく安青錦を正面において相撲を取れるかが一番の焦点と思いますが、序盤の突き合い押し合いで先手を取られないことが肝心でしょう。

 

はっきり言って、1月場所は豊昇龍が安青錦に雪辱を果たすと予測していたのですが、今ブログを書いていると、安青錦の勝ち方は理詰めだし、豊昇龍も相当頑張らないとなぁ、と思ってしまう私です。