成政ファン 佐々成政及び佐々氏に関するブログ。

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佐々成政といえば、以前は非常にマイナーな武将でした。今でもメジャーとはいえないかもしれませんが、昔はもっとマイナーでした。

また仮に知られていたとしても、短慮、懐疑心の強い非道な暴君として扱われてきました。

長き、江戸時代が終了し、明治になり、以前の支配者徳川を陥れるために、徳川の以前の天下人豊臣秀吉を持ち上げたのかもしれません。あるいは、これからは身分にしばられない時代だ、誰でも出世できるような自由な時代だということで、貧農から成り上がった豊臣秀吉に人気が集まったのかしれません。あるいは、日本は大陸に侵攻していきました。朝鮮出兵を行った秀吉を持ち上げる必要があったのかもしれません。

いずれにせよ、豊臣秀吉は圧倒的な人気を誇りました。今でこそ、織田信長もそれなりに人気がありますが、以前の信長人気はそれほどでもなかったです。

秀吉人気は戦後でも変わりなかったです。

そして、秀吉に対抗した勢力への評価は非常に厳しいものがありました。佐々成政もその例にもれませんでした。

元々、マイナーでしたが、たまに成政が登場すると、早百合伝説とか、出自の低い秀吉をいじめたとかひどい扱いでした。

小説などにもひどい書かれようでした。一例をあげれば、童門 冬二のとある小説にはあまりにも成政のことをめちゃくちゃ書いていたので、童門 冬二 の人間性を疑ったことすらあります。いくら小説とはいえ、自らの思い込みだけでの勝手な成政像を作り上げるなよと言いたくなりましたよね。

佐々成政の末裔には佐々成政の末裔を名乗ることもできなくなってしまった者もいるそうです。

そのような流れを変えてくれたのが本著でした。1986年に本著はサイマル出版から発行されました。

その後、出版社をかえて再発行されたりしてロングセラーとなっています。

富山県出身の遠藤氏は丹念に成政の史料をあたり、現地を歩き、「非道の暴君」としての成政像を覆してくれました。

もちろん、まだ完全に従来の成政像が覆ったとは思いません。

でも、確実に成政の評価はかわりつつあると思います。

そして、本著は大きな役目を果たしてくれたと思います。