15:00からが私の面接の番で

朝食(11:00)を終えた段階で

何ひとつやっていない…

『今日は練習』が鎮座し過ぎている。



なんとかかんとか

『面談申込書(ペラ1)』を書き上げ

どうしよっかな〜と悩んで○をつけた

どーこか書道7段やねん



時間が迫ってきてるので慌てて

スーツに着替えて車に乗り込んだら

ケツに札が付いていた

ある意味異常なしだ。



目指す会場はハローワークの2階の会議室、

の前にトイレでいつもの精神統一。



洗面所の大きな鏡の前には

切実な想いと裏腹に容赦なく散切られて

坊主に毛が生えてまた抜けたような

黒毛の男の姿がある。



脳裏から離れることのなかった

数日前の出来事…



私は思い出し

『ぁ゛アッ‼︎』と声を上げた


そしたら個室からけたたましく

トイレットペーパーのカラ音がした。



いや違うんです…

何も急かしてませんから

違うんですよごめんなさい。






階段を登り、会議室前の受付で

『手帳』と『面談申込書』を見せ

番号札を受け取りました『34』


(これを首から掛け、この番号が今回の面接共通のものになり名前ではなく番号で呼ばれます。刑務所か。

ちなみに『34』という番号はちょうど昨夜に知った今日の面接企業の応募資格『34歳以下』の当て付けか)



ロビーには支援関係施設の指導者らしき人が

何人かいるようだ。

(言い方が適切ではないと思いますがそんな感じの人達、シャツにネクタイ姿)



中の様子を伺い知ることが出来て

私の目指すT社のブースもよく見える

そこにはどう見ても20代の若い男の子と

その母親と思しき女性が並んで座っている。


※イメージです。


何度も何度も頭を下げている様子だ

それはそうだろう

『子を思う母の気持ち』だ。

2人が立ち上がり面接官も立ち上がる



また何かを喋り伝えながら

頭を下げる母親の姿は胸に来るものがある。



ちなみに私の面接予定時間に

大きく食い込んではいるが。



今しばらくの待ち時間

私の目の前では流れるような手話が

繰り広げられている。



私の隣の30代くらいの女性の

用紙を持つ手が小刻みに震えている。



それよりも私の手が震えている。


ちなみにスーツの上着装備の男性は

私だけである。



例の親子が会場から出てきました。

それを笑顔で迎えてハイタッチをする

シャツにネクタイ姿の男性2人。







『34番の方〜』


呼ばれた私は係員について行き

後ろの椅子に座るよう促された。



ブースの椅子をアルコール消毒している


私の膝は笑い始めている。



『どうぞ』と言われブースの椅子に座った。



アクリル板越しには

青い作業服を着て、白髪を短く刈り上げた

2人の男の姿がある。


いかにも『この道で長年やってきた』

という風情だ。


仕事は顔に出る

緊張は手足に出る




『こちらをお渡しすればいいのですかね』と

面談申込書を差し出した。



それを受け取る青くて白い、顔は黒い2人の男

『おーどれどれ…』



『すいません、御社の求人票を拝見しましたら年齢制限のところに34歳以下と書いてありまして、私のような年齢のものが伺うのも、たいそう場違いだとは存じておりますが、お話だけでもぜひ聞かせていただければと思いまして今回こちらの面接の予約をさせて頂きました。お忙しいなか時間を割いて…』って全く聞いてねぇな



心の中で

『ぁ゛アッ‼︎』と一発。



そうして私は練習代わりの面接に挑んだ。 






〜Part②へ続く