【高架下の恋】


響く音と共に派手に転けた彼


肩で息をしながら大きく揺れる背中


私の「頑張れ」という思いは言葉にせず飲み込んだ


今の彼にはあわない言葉だ


邪魔にならないように、そっと見守る事しかできない


雨が降り始めた高架下で私は彼の本気をみた










誰もが憧れる


誰よりも高く高く


彼越しの空の青さにみんなが心を奪われる


眩しくて直視できないほど遠くなった彼


歓喜の声が響く中


離れた場所で見守った


高架下で見た彼の本気が現実になった









つながった同じ空


昨日の雨と今日の明るい空を


彼も何処かで見ているのだろうか


いろんな人達がそれぞれの思いを込めて、

花束を大事そうに抱えていく


あの日私が渡した小さな花束を彼はなんとも言えない顔でテーブルにそっと置いた


なんとなく予感はしていた



少しだけその言葉を言うのを待って欲しかったわたしと

早く伝えたかった彼


初めてすれ違った2人だった


バレバレな香りと大きな花束


誰よりも空に近かった彼が今日は小さく見えた


震えた指で嵌めてくれた指輪


嬉しくて涙が止まらなかった


涙でボヤけた先にいた彼は


真っ赤な顔していて愛しさが溢れた


高架下で始まった恋は永遠の愛に











響く音と共に派手に転けた小さな彼


あの日高架下で恋した彼と同じ瞳をしていた