月1回の読書会が、先日、最終回を迎えました。
神保町の韓国ブックカフェ「チェッコリ」で春から読んでいた「열하일기(熱河日記)」。
ついに読み終わっちゃいました。
朝鮮時代の旅行記です。
「世界最高の旅行記」だそうです(笑)
著者は、朴趾源(박지원/パク・チウォン)、号は燕巖(연암/ヨナム)。
朴趾源自身はフリーランサーですが、親戚にえらいさんがいて、1780年、清への使節団に加わります。清の乾隆帝の古希(70歳)を祝うための使節団です。熱河は避暑地。本来は北京までの予定でしたが、北京に着くと乾隆帝は熱河に行ってしまっていて、慌てて熱河へ。
現代語訳した先生、高美淑(고미숙/コ・ミスク)先生が、最終回に来てくださいました。もちろん普段は韓国にいらっしゃるのですが、他の用もあって来日されました。
オレンジの電気の下にいらっしゃるのが、高美淑先生です。
こなれた訳で読みやすいとは言え、時代が時代なので、知らない言葉もいっぱい出てきて、なかなか一人で読むのは難しい本でした。
少数精鋭の読書会のメンバーの話がいちいちおもしろく、話についていきたくて、ユーチューブで高美淑先生の講義を聴いたら、これまたおもしろい(´∀`)
その講義で、朴趾源に勝手に親しみを感じていました。
一つは、フリーランサーというところ。能力はあるのに、官職につかなかった。なので、使節団の中でも自由な立場。好奇心の塊で、誰にでも話しかけ(筆談ですが)、清と朝鮮を比較しながら日記を書いています。個人的なことをつづった日記ではなく、話は時に地動説にまで及びます。
先生は朴趾源が「友情に生きた」と言います。若い時に鬱病になったのをきっかけに、逆に外に出て市井の人々と交わって対話することで、克服していったそうです。この生き方は現代の若者にも参考になるんでは、とも。わたしも友情に生きたい(笑)
先生自身も、「熱河日記」を現代語訳した縁で、中国を旅するようになり、今は米国や日本など世界に友達がいます。
そして、来年の留学先を尋ねられたので「東国大学」と言うと、「うちの研究所のすぐ近く」と。先生は감이당(カミダン)という研究所をされています。
まだ全体像がよく分からないですが、朴趾源みたいな先生がいっぱい集まってる模様。わたしも来年フリーランサー1年生になるので、仲間に入れてもらおうと思います。
ちなみに、チェッコリ(책거리)という言葉の意味は、読書会の打ち上げのようなものだそうで、われわれ、チェッコリで最高のチェッコリをしました。