近頃の俺がどういった状況で過ごしているかを報告しようと思う=回りくどく言ってみたものの、只の近況報告だ



腐った物は口にするな。幼少時姉上にそう言われたのを心の隅で思いだした。

だが、それは時既に遅し

体感してから思いだしてもなんの意味も持たない


普段から稽古で体を鍛えているものの、内臓までは鍛えられないものか

俺は、無残にもこの世の食べ物にあたってしまった。


心配した土方さんは、熱燗片手に万能薬でもある、石田散薬を俺に手渡してくれた

腹痛を伴う俺からすれば、酒さえも毒に感じたが敢えて口には出さん

土方さんのご好意をむげにするぐらいならいっそ腹を切った方がマシと言うもの。


”休んでいろ”と優しく言ってくれたおかげで俺は床に伏せることが許されたのだが

数刻も経たずして廊下がやけに騒がしくなり、気になった俺もまたそっと障子を開け様子を伺った


敵襲か?


そう思ったのもつかの間。

俺の目の前を人影が物凄い勢いで通り過ぎたのだ。

その形相は、”鬼”と評されるだけあって迫力があり、逃げまどう”モノ”を追いかける


さっき俺を心配してくれていた顔が、あそこまで変貌するとは一体・・・・・・

その”鬼”の前を余裕そうな顔つきで走る”モノ”もとい、総司。

またイタズラでもしたのだろう。土方さんの怒りはもはや頂点を超え、俺が寝ていることも気にした素振りも見せず

ドタドタと廊下を走っているのだ。

いや、別に気にかけてもらいたいとか、そんなたいそれたことは考えてはおらん。

総司は身軽に土方さんの攻撃を交わすと、ことあろうごとか、俺の部屋に侵入したのだ。


いつもの笑顔で、寝てなくて平気なの?なんて言うものだから

俺は側に置いてあった刀を手にし、土方さんの怒りの現況である総司に向かって構えた


あれ?僕マズイ??

なんて言う間もなく、後ろには土方さんが目に見える炎を体から発せると

地の底から出したのかと思えるような声で総司とただそう言った


それから直ぐに、総司の襟首をネコのように捕まえた土方さんは

”斎藤、ちゃんとゆっくり寝とけよ”と言うと、ピシャリと閉められた入口。

それと同時に土方さんの怒鳴り声。


ゆっくり眠れるはずもないです・・・・・・


そう心でポツリと呟きながら、言われた通り床に戻る


廊下で説教が続いてる声を子守唄に眠れるはずもなく

俺は、次の日も隊務に復帰することが出来なかった。


これが俺の近況だ。

今ではすっかり良くなり、挽回する為にも今は隊務に励んでいる所だ。

巡察がてら、「大黒屋前」に出没する日も増えるかもしれない

その時は気軽に声をかけてくれ。

だが、俺はあくまで巡察中がゆえ、相手することも叶わないかもしれんが

そこは大目に見てくれたらありがたい。