心の解放 | 妊娠の神様に嫌われた女

妊娠の神様に嫌われた女

妊活中の成果はいつも天文学的に悪い方の数字を引いてしまう。受精•着床不全、初期流産、子宮奇形…そして染色体異常の我が子を中期中絶。そんな私に不妊治療を続ける資格はあるのだろうか。

私は大きな勘違いをしていた。

旦那の暴力は私に非があるから仕方がない。子供を授かれない私が悪いんだ。どんな暴言を吐かれても、口車に乗ってはいけない。我慢して堪えなきゃって。


それに二度目の結婚だし後がない。男はいいけど、女のバツ2は…ちょっとキツイ。だからまた失敗するわけにはいかないし、人並みの生活をしなくっちゃ…って。


『だからこそ子供が欲しい』

純粋に子供を望んでいた頃とは異なり、動機が完全におかしくなっていた。いつまで経っても成果が出ないことへの焦りと、旦那への憎しみがごっちゃになり、正しい判断が出来なくなっていた。


本気で死を考えた。


最後にひとりだけ今の心境を聞いてもらったら、もう満足…死のう。そんな精神状態である人と電話をしていた。


『お前のことを本当に好きなら、絶対に暴力なんてしない。旦那の ”それ” は愛じゃない。別れるべきだ。幸せになれ。』


そう言われた時、心が解放された。


暴力はいけないこと。
我慢することはない。
死ぬ必要なんてない。


それからしばらくしてまた暴力が始まり、いつもの如く『離婚だ!』と叫び倒す旦那に、私は今まで絶対に言わなかった一言を返した。


『いいよ。もう離婚して。』


喧嘩のたびに「離婚だ離婚だ」と騒ぎ立てる旦那をあやしてきた私。どんなに暴言を吐かれても「はい」とは言わなかった…言えなかった私が、離婚を言い出したのだ。


旦那は目を丸くし、ふるい上げた手を止め、「なんで?」と聞いてきた。


『あなたのしていることはDVです。例え身体的な暴力でなくても、暴言や物を壊して恐怖を与えることは…DVなんです。』


旦那は自分がDVをしている言われたことにショックを隠せないでいた。少しのことも辛抱できず、すぐに癇癪を起こして物を壊すことは問題ないと思っていたのだろうか。

どちらにしてもそれ以来、旦那の暴力はなくなり、不妊治療を再開することになっていった。


あんなにギクシャクしていた夫婦仲も、今では穏やかになり、喧嘩をしても暴力は出なくなったし、言いたいことも言えるようになった。


『私さえ我慢すれば…』

そんな思いが旦那を余計に追い込んでいたのかもしれないし、イライラさせてもいたのかもしれない…


そうやっていろんなことを乗り越えての不妊治療が2年を越え、その結果が『今』この状況。


なんのために子供を望み
なんのために子供を堕す

意味がわからない。