最近、我が家では珍しくナルシスト妻の機嫌が良く、その親切な態度はまるで晴れ間のよう。私の仕事の話を真剣に聞いてくれ、賛美の言葉さえも頂戴しました。そんな心地よい時間をソファーで共有していたある日、私はある提案をしてしまいました。

「機嫌がいい日にはカレンダーに丸印でもつけようかな」という一言。この率直で冗談めいた提案が、思わぬ波紋を呼ぶことになろうとは、その時は思いもよりませんでした。

妻の反応は、表面上は笑顔を保ったまま。しかし、その笑顔の裏に潜むオーラは、まるで冬の北風のように冷たく、そして鋭い。「さっきの表現はもう少し考え直した方がいい、別の表現を考えてほしい」との指摘を受けました。

私は謙虚に謝罪し、「じゃあ、どう表現すればよかったのかな?」と、彼女の希望を尋ねましたが、返ってきたのは沈黙。まるで、触れてはいけないトピックに踏み込んでしまったかのような雰囲気でした。

この「カレンダーに丸印事件」を通して、私は大切な教訓を学びました。それは、ナルシスト妻の機嫌についての言及は極めてデリケートな行為であるということ。そして、心地よい時を共有することの価値は、カレンダーに丸印をつける行為以上に大きいということ。

今後、私は機嫌の良い日々を内心で喜びつつ、その喜びを「丸印」ではなく、「感謝の心」として大切にしようと思います。そして、もしもカレンダーに何かを記録するならば、それは「共に過ごした心地よい時間」そのものを象徴する何かにしよう。

この事件を振り返ると、私たちの生活の中での小さな冒険のひとつと言えるでしょう。そして、この小さな冒険から学ぶことは、私たちが互いに理解を深め、より豊かな関係を築いていく上で、決して無駄にはならないのです。