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小林多喜二と言えば「蟹工船」
中学生の頃、担任がこの蟹工船を勧めたので家で読んでいたところ、
父が「えらい左寄りの先生やなぁ」と言ってたのを思い出しました。
蟹工船は高度成長期に育った私には遠い世界の様な話で終わったような(ゴメンナサイ)
三浦綾子先生の「母」の方が響いたわ。
セキさんの語りで物語は進みます。
あらすじ アマゾンより
「わだしは小説を書くことが、あんなにおっかないことだとは思ってもみなかった。あの多喜二が小説書いて殺されるなんて…」明治初頭、十七歳で結婚。小樽湾の岸壁に立つ小さなパン屋を営み、病弱の夫を支え、六人の子を育てた母セキ。貧しくとも明るかった小林家に暗い影がさしたのは、次男多喜二の反戦小説『蟹工船』が大きな評判になってからだ。大らかな心で、多喜二の「理想」を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生き抜いたセキの、波乱に富んだ一生を描き切った、感動の長編小説。三浦文学の集大成。
セキさんは秋田の貧しい家に生まれて学校も行けず文字が読めません。
わずか13歳で(本ではその年です)小林家に嫁ぎます。小林家は昔は裕福な家でしたが
夫の兄が山っ気があり、事業に失敗して傾いたところへ、何も知らずに嫁いだセキさん。
義父も夫も教養があり、優しくて文字を読めないセキさんを馬鹿にするどころか
「いい嫁だ」と可愛がってくれたのです。貧しくとも幸せな結婚生活です。
小樽でパン屋として成功した義兄に頭のいい長男坊が呼び寄せられて北海道へ。
でもこの長男の多喜郎がわずか12歳で小樽で死ぬんです。この場面は切なかった。
(この三星堂が苫小牧にある三星と関係あるらしくてビックリしました。)
その後、セキさんは一家で小樽に行き、小さな店を開くんです。
セキさんご夫婦が過酷な労働から逃げ出した男性を匿うエピソードは
お二人の人柄が出てるなと思いました。勇気のある人なのです。
次男の多喜二は頭が良くて後に拓殖銀行に就職したインテリなんですね。
私はてっきり髪を伸ばしてアナーキーな感じの人かと思ってたわ(;^_^A
初任給で弟にバイオリンを買ってあげたり、家族思いの優しい青年なんですね。
遊郭で働くタミちゃんとの恋も不器用で、真面目過ぎて気の毒になりました。
蟹工船を書いてからは特高に目を付けられ、皆が知る通り警察で拷問死します。
セキさんがその知らせを受けた所から胸が締め付けられて涙が出ました。
子を亡くし、しかも遺体は無残な状態で正常でいられる母親がいるでしょうか?
後にキリストの絵をみてキリスト教に救われたようですが・・・
小林多喜二が労働者のために入党した共産党、お隣の国が昔の日本の警察のように
なってる様子を見たら、どう思うだろう・・・そんなことを考えました。
あ、でも政治色は無くて、母の愛に溢れた作品です。
セキさん一家と多喜二の人柄のお陰で、多喜二の死後、家族に後ろ指を指す人が
居なくて良かった。
蟻の菜園・柚月裕子
あらすじ アマゾンより
結婚詐欺容疑で介護士の冬香が逮捕された。婚活サイトで知り合った複数の男性が亡くなっていたのだ。美貌の冬香に関心を抱いたライターの由美が事件を追うと、冬香の意外な過去と素顔が明らかになり……。
映画「孤狼の血」の原作者ということで興味がありました。
うーん、虐待が核となってるんです。だから読んでいて辛かったわ。
なんか子供が犠牲になったり、それがトラウマになって・・・という作品が多いような。
主人公のライター由美が出した結論は悪くはないのよね。児童福祉に関する記事を
書こうと思うのは一筋の光になるかも知れないけど、
後半、事件の動機とかがちょっと唐突で雑な感じがしました。
一気に読めたけど、心に残ったのは実父の
気色悪い虐待だけでした(;^_^A
赤毛のアン 松本侑子・訳
赤毛のアンはこれで3冊目です。子供の時に買った1冊目は読みすぎてボロボロに。
2冊目は英語版。 そして松本侑子さんの訳が素晴らしいこの本です。
ほんと素晴らしい!赤毛のアンのファンなら手元に置きたい1冊だと思います。
解説も分かりやすいし、モンゴメリの人生と作品の関係性も理解できます。
なぜ赤毛のアン以降の作品が輝きを失ったか・・・などなど
(でも私は「アンの青春」「アンの愛情」までは好きですよ)
最近、目が疲れるんですよね( ;∀;) なにかいい目薬あるかな?
病院行って長時間待って「老化です」って言われるのも癪だしw
よければ過去感想 (^^ゞ 映画・ 孤狼の血 三浦綾子・細川ガラシャ夫人
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