新型コロナウイルス感染症対策③ 重症化対策 | 奈良西部病院のブログ

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奈良西部病院 

顧問 古閑 比斗志

 

新型コロナウイルス感染症対策 ③

重症化対策

 

高齢者や基礎疾患がある人、抗がん剤・免疫抑制剤を使用して免疫が低下している人は感染重症化しやすい。

ビッグデータでは高齢者、白人、肥満、男性、A型の血液型、喫煙、糖尿病、高血圧、狭心症、腎臓病、がん等がリスクファクターである。

日本における濃厚接触の定義では濃厚接触者における感染率は数パーセントである。家族内感染率はこれを上回る。子供から大人には感染しにくくむしろ大人から子供に感染する割合が多い。幸いな事に令和2年12月現在日本国内では10歳代の死亡症例報告はない。また18歳未満の感染例は比較的少ない。妊婦の重症例も報告されていない。

十歳代と七十歳代を比較すると重症化率は250倍となる。20歳以下では軽症者や不顕性感染者の割合が非常に高い。人口ピラミッドのボリュームゾーンである団塊の世代は感染に注意する必要がある。

80歳代の方は感染して治療を受けないと新型コロナウイルス感染者の死亡率が25%である。(四人に一人亡くなる計算)

日本には80歳以上の方が1000万人いる。団塊の世代は約800万人である。

従って集団免疫を獲得する場合は、感染すると重症化して死亡率の高い高齢者を守る施策が必須となる。高齢者を優先してワクチン接種すべき理由である。