ポリオワクチン | 奈良西部病院のブログ

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ポリオワクチン(予防接種)

平成2659

ポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)は人にのみ感染する病気である。

我が国においては1940年代から流行が見られ筆者の生まれた1960年には北海道を中心に5000名の患者が発生する大流行となった。1961年OPV oral poliovirus vaccine(経口生ワクチン)が冷戦時代にもかかわらず旧ソ連から緊急輸入されたため流行は急速に終息したのである。ワクチンの安全性を担保するために1963年国産OPVが認可され我が国では二回投与が開始された。

我が国では1980年の1型ポリオ症例が野生型ポリオ麻痺症例の最後である。

現在はIPV inactivated poliovirus vaccine(不活化ワクチン)が開発され我が国でも使用されるようになった。

ポリオワクチンにはポリオ単独およびDPT+IPV(4種混合ワクチン)がある。

以下の厚生労働省HPを参照されたい。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/polio/qa.html

WHO4週間以上ポリオ流行地へ行く方には予防接種を勧めている。

短期出張の場合は予防接種歴があれば追加接種は必要ないが厚生省流行予測調査(当時)によるポリオ中和抗体保有状況をみると、1975~1977年生まれの年齢群において低い傾向がある。この年代に我が国で生まれたポリオ感染地域への旅行者に対しては、ワクチンの追加投与が勧められている。

勿論母子手帳もなく接種歴が不明な方はポリオ感染地域に旅行を計画する場合には一回接種をお勧めしたい。

1960年以前に生まれた方はワクチン接種歴がない可能性が高いのでワクチン接種歴を母子手帳で確認する等、特に注意が必要である。

以下、国立感染症研究所のポリオに関する情報なので参照ありたい。

http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/386-polio-intro.html

以下、FORTHにおけるポリオに関する情報なので参照ありたい。

http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name09.html

FORTH:野生型ポリオの国際的拡大のリスクに関してWHOが声明を出しました

http://www.forth.go.jp/topics/2014/05071601.html

(了)

文責:古閑比斗志