どこかが変わっているかもしれない、毎日歩いていたら変わったいるところが分かるかもしれない。

 

 でもそれが私には分からなかった。

 

 今まで外に出ることを避けていた。仕事があるから、占いをしなくちゃ。それでいいわけをして、外出することから逃げていた。

 

 本当はいつだって外に出れたのに、その現実から逃げていた。

 

 歩いて、歩いて、歩いて。目的地を定めずに歩いて。

 

 気がついたら、カラオケ屋の前にいた。

 

 歌が決して好きなわけではない。それでも気がついたら、私はカラオケ屋の中へ入っていった。

 

 ドリンクバーでとってきたアップルジュースとオレンジジュースを混ぜた物。そしてマイクと歌を選ぶ機械。

 

 それらと共に、私のカラオケの個室に取り残される。