ホーム&アゥエーの意味
「勝て、勝て、勝て、勝て。ホームやぞ!」
ご存知の方も多いと思うが、ガンバ大阪のホーム、万博記念競技場のバックスタンドのフェンスに、いつもさがっている大きな垂れ幕である。
TVなどを見ていても、けっこう目に付くほど大きい。
おそらく長さは、10メートルはあるだろう。
実際にスタジアムで観戦してみると、当然ながら、さらに目に付く。
今や、名物ともいえる垂れ幕だ。
この「名物」の言葉は正しい。
サッカーは、ホームでは勝たないといけない。
死にモノ狂いで、勝つ努力をしなければいけない。
アゥエーでは負けても良い...と言っているのではない。
アゥエーでも勝つに越したことはない。もちろんそうである。
だが、サッカーは、アゥエーでは勝つのは容易ではない。本来は、そういうスポーツなのだ。
海外...そう、例えばスペインリーグ。
あのバルセロナであっても、リーグ戦のアゥエーゲームでは、相手がリーグの下位に低迷しているチームでも、その戦いは難しいものになる。
優勝争いの常連チームのバルサだから、アゥエーでも、もちろん勝つことは多い。
だが、内容は非常にハードなゲームとなる。それがアゥエー戦なのだ。
逆にホームでは、バルサのようなチームはまず負けない。
ホームで負けるなんてことは、サポーターは誰も考えもしない。
勝つのが当たり前なのだ。
「どのように勝つのか」がテーマであって、勝ってもその内容が「ショボ」ければブーイングなのだ。
サッカーとはだいたいそういうものだ。
日本のJリーグのチームはそうではない。
ホームでけっこう負ける。
「格下」と思われるチームが相手であっても、けっこう負けたりする。
この「現象」が、海外からやってくる監督が、まず信じられないらしい。
同じプロのレベルの戦いであるのだから、考えられないという。
100%とまでは言わないが、筆者もほぼ同じ意見である。
Jリーグが誕生した時、筆者の住む関西地区のチームはガンバ大阪だけだった。
中国地区にはサンフレッチェがあったが、近畿地区はガンバのみ。
もともと海外サッカーに夢中だった筆者も、日本のプロリーグ誕生には喜んだ。
たった1チームの関西チームには、やはり応援したいという気持ちが起きる。
これは当然だろう。
早速、「カテゴリー1」にて、レプリカユニフォームやフラッグなど購入し、スタジアムまで何度か応援にでかけたものだった。
ところが、である。
ガンバが負けるのだ。それも頻繁に。
コロコロ負ける。
ガンバ唯一のスター選手の永島(現・永島キャスター)は、けっこう点を取るのだが、守備陣がガタガタで、負けてばかり。いつも失望感いっぱいでスタジアムをあとにしたものだった。
リーグが始まって最初の数年のあいだ、ガンバは毎年のように最下位争いの常連だった。
筆者も、そのうちスタジアムに行かなくなった。
まさに、「アホらしく」なったのだ。
何でわざわざ高いチケット代を払い、負け試合を観に行かなくちゃならないんだ?
そう思うのは当たり前だった。
筆者の回りにも、そう思ったファンもけっこういた。
いくら関西唯一のチームでも、我々はそこまでお人好しではない。
Jリーグの選手と、その関係者の方には、ここをよくもう一度考えて欲しい。
ファンは勝ちを観たいのだ。
勝ちを観て、スカッっとしたいのだ。
スカッっとホームで勝ってくれるなら、毎回は無理でも、年に最低何度かは、チケットを買ってスタジアムに出かける。その入場券の収入が、選手たちの給料の一部になることはまったく惜しいとは思わない。
それどころか、必要ならファンクラブにだって入るさ。そう呟くファンは少なくないだろう。
よほどヒマを持て余している金持ちのファンでない限り、多くのファンは、貴重な時間とお金をさいてスタジアムに出かける。
野球と違い、サッカーではリーグ戦のホームゲームは15試合ほどしかない。
たった15試合だ。
カップ戦や天皇杯、その他を加えても、その倍にもならないだろう。
もっと死にモノ狂いでホームゲームで勝つ努力をしろといいたい。
いま、関西にはガンバ大阪のほか、京都サンガ、セレッソ大阪、ヴッセル神戸と4つのJリーグチームがある。
筆者は、どのチームの試合も、けっこう出かけて観に行った。
過去形である。
ガンバは、今はアジアのチャンピオンチームになった。
昔に較べて、本当に強いチームになった。
観戦に出かけるに値するプロのチームになったかも知れない。
筆者の部屋には、初代の大型フラッグがまだある。
もうトシなので、これをスタジアムで振ることは、ちょっと恥ずかしいかも知れない。
けど、スカッとした素晴らしいゲームを展開されれば、振ってしまうだろう。
サッカーとは、それほど魅力的なスポーツなのだ。