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奈良の鹿たち

悠々自適のシニアたちです

『米国・中国・日本の国勢 2025

<人口>

世界の人口問題の中で、最も特徴的なのは「日本の少子高齢化」です。

 

参考までに、若い国の代表インドの人口も加えました。

2023年現在では、中国は約14億人、米国は約3億人、日本は約1億人、インドは14億人です。

2023年時点で、総人口はインドが中国を追い越して世界一になりました。

 

これから先10年、20年、30年とどのように推移していくのでしょうか。

人口は、対策を打ってすぐに効果の出るものではありません。また、増えればますます増え、減ればますます減る現象は自然の成り行きであり、止められません。

具体的には中国は次第に減っていきます。2030年頃から中国は人口減への悩みが始まります。

米国は白人と有色人種系の構成比は変わっても、トータルでは微増です。これは、移民に対し歴史的に寛容であったことの恩恵でしょう。

さて、日本は減少が減少を起こしてずっと減り続けていくことでしょう。

 

世界的に人口は減っていく傾向にあります。世界の人口の増加率は2024年では0.9%ですが、2040年には0.7%、2050年には0.5%になると予想されています。

中国は伸び率は、世界の悲しき見本である日本に近づいていきます。

 

日本の形は「頭でっかちの逆ピラミッド形」と言って、少子高齢化の症状を如実に表しています。

中国にも将来的に少子高齢化の兆しが見られます。下細りの上、現在30~40歳のふくらみが30年後には高齢化社会となって経済・財政を圧迫することになります。

それに比べて、インドの何と安定したどっしり型なのでしょう。

 

日本はどこまでも高齢化率の高水準が続きます。

そして、中国が日本を追うように伸びて高齢化社会を迎えます。

 

中位(数)年齢とは、人口を同数の二つのグループに分ける年齢のこと、言い換えれば人口を年齢順に並べて数え,ちょうどまん中にあたる年齢のことです。

米国CIAの統計(2024年版)によれば、2024年の中位年齢は日本:49.9歳、中国:40.0歳、米国:38.9歳、インド:29.8歳です。日本は2040年ごろには、国の中核を担う年齢は、何と社会の一線から退く年齢の55歳近くになるのです。

 

出生率は各国とも逓減していきます。

中でも、中国の出生率の低下が目立ちます。一人っ子政策の影響が長期に及びます。

10年後の2035年ごろには、日本と並ぶほどまで低減します。

インドもいつまでも人口増の恩恵は続きません。遠い将来、日本や中国のような少子高齢化を迎えることになるのです。

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人口が減るということは、国が衰退するということなのです。

「人口ボーナス」という言葉をご存じでしょうか。

生産年齢人口(15~64歳)に対する従属人口(14歳以下の年少人口と65歳以上の老年人口の合計)の比率が低下し、経済成長を促すことです。人口ボーナス期では若い豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすいのです。

今の中国、インド、トルコ、南アフリカ、メキシコがこれに当たります。

逆に「人口オーナス」という言葉があります。

少子高齢化が進み、生産年齢人口に対する従属人口の比率が上昇することで社会保障費などがかさみ、経済成長や財政政策を阻害することです。オーナスとは負担、重荷という意味です。

生産性の低下、消費の低迷、財政の圧迫などどれ一つ取っても良いことのない少子高齢化。

今の日本や欧州の先進国がそうです。

中でも、日本は人口オーナスの影響が最も深刻な国です。

日本の人口減数は15年連続です。2024年55万人、2023年60万人、2022年56万人で、毎年、東京都江東区、千葉県松戸市や市川市、大阪府東大阪市が消えていっていることになります。

人口の減少は、何よりの政策課題であることを真剣に考えなければなりません。しかし、国民は明日の生活に関心があり、政治家も票にならない将来の問題については取り組みません。

また日本人特有のプライドの高い朱子学的純血主義は、結局は国を亡ぼすことになるのです。

文明は純粋を求めた時に衰えが生じ始める。異文化との葛藤が文明を発展させるのです。

残念ながら、もう対策を講じるには遅すぎました。今からの手立てはありません。

ゆでガエル現象(気づかないうちに悲惨な状況になる)で日本は確実に衰退していくのです。

公家貴族が武士に隷属させられていったように、英国が米国に取って代わられたように、日本も中国やアジア諸国に追い抜かれながらも、過去の栄光のプライドのみにすがって生きていくことになるでしょう。そしてやがて、そのプライドも消滅していき、アジア先進国の顔色をうかがう中進国になっていきます。

 

少子高齢化、人口減少が進めば、どのようなことが起こるでしょうか。

例えば

経済全体が縮小して、失業率が増加し国民生活が低下します。

若者は、職や研究を求めて海外に流出し、人口減に拍車がかかります。

労働人口が減少するため、人手不足倒産が増えます。

老人ばかりで、「老人の日」なんてなくなり、優先席もなくなります。

老人介護と言っても、人手不足で誰が世話をしてくれるのか?

人口減問題は、特に老人には悲惨な局面が待っています。

バスや電車は、乗客が減り赤字になって本数が減ります。特急や急行はなくなります。

自治体が維持できなくなって、住民サービス、水道、道路管理はお手上げです。

地方都市は、駅前も廃墟と化し、廃村だらけとなります。

警察官が少なくなって、検挙率が低下し犯罪が増加します。

車、家電、水道、家の修理は、人がいないので頼めません。

学校は生徒も先生も減って統廃合が進み、通学路が長くなります。

病院も、患者の減少と手のかかる年寄り患者ばかりで、赤字経営で倒産も発生します。

旅館、ホテル、レジャー施設は客が減って廃業です。

水洗トイレ、エアコン、買い物、配達、新聞、ガソリンスタンドなど、今、当たり前と享受していることが出来なくなります。

ちょうど今、世界の中進国や日本の地方で起こっている状況になります。

 

自虐的? 

でも上の数値統計や歴史的事実に基づいていることだし、評論家やジャーナリストもさかんに警鐘を鳴らしているのです。 

米国の著名投資家のジム・ロジャーズ氏が「日本の破産はもう始まっている」。

米国の著名経営者のイーロン・マスク氏が、ツイッター上にて「日本はいずれ存在しなくなる」。 

その他「日本の人口問題」記事のタイトル

 「日本人を直撃する”人口急減”の切実すぎる未来」

 「日本人は”人口減少”の深刻さを分かってない」

 「日本人は”人口減”で起こる危機を甘く見ている」

 「日本に必ず来る”人口急減”がもたらす大恐怖」

 「人口減がもたらす悲惨な老後」

 

 

 

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次回は 第2回「GDP」

 

 

(担当E)

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