『岩石』第1回 岩石の分類 | 奈良の鹿たち

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『岩石』

第1回

「岩石の分類」

 

文部科学省「デジタル図鑑」より

 

火成岩は基本的にはまず、マグマが冷え固まって結晶化することで生まれます。急速に冷え固まったものが火山岩、ゆっくりと冷え固まったものが深成岩です。こうしてできた火成岩は、やがて地表で浸食や風化で砕けて、そして水や風の影響で堆積し堆積物となります。この堆積物が圧力や化学物質によって変化し、再び固まったものが堆積岩です。次に火成岩や堆積岩が、熱や圧力などの変成作用を受けて変質したものが変成岩です。

なお、より強い高熱にさらされ完全に溶融した場合、冷えれば再び火成岩となります。このように、長い時間の間に岩石やそれを構成する物質は互いに移り変わります。いずれにせよ岩石の起源の大本は火成岩です。

.火成岩(かせいがん)

火成岩は地下のマグマが地表へと上昇する間に冷えて固まってできた岩石で、いろいろな鉱物の結晶が集まって出来ています。マグマが地表や地表近くで急激に冷やされて固化して形成された岩石が火山岩です。それに対して、地下深くでマグマがゆっくりと冷え固まって形成された岩石が深成岩です。火成岩は、石英や長石などの無色透明または白色の無色鉱物が多い火成岩は全体が白っぽく見えます。また黒雲母、角閃石、輝石などの有色鉱物を多く含む火成岩は全体が黒っぽく見えます。

(1)火山岩(かざんがん)

マグマが地表または地下の浅いところで比較的短時間で冷え固まってできたものが火山岩です。急速に冷やされたため、結晶が十分に発達せず、石基と呼ばれる細粒の結晶やガラスから成る部分と、斑晶と呼ばれるやや大きな結晶から成ります。安山岩では白い部分が斑晶灰色の部分が石基ですが、玄武岩では斑晶はほとんど目立ちません。

(2)深成岩(しんせいがん)

マグマが地下の深いところで長い時間をかけてゆっくりと冷え固まってできたものが深成岩です。花崗岩の等粒状組織では、黒い部分が黒雲母、白い部分が長石、灰色の部分が石英。

Ⅱ.堆積岩(たいせきがん)

堆積物が固まってできた岩石。既成の岩石が風化・侵食を受けてできた砕屑物が水や風や氷河により運搬され、水底や陸上に堆積したものが続成作用により固結して堆積岩となります。

砕屑岩は固結したものの種類によって、礫が固結した礫岩、砂が固結した砂岩、泥が固結した泥岩などに分けられます。 火山砕屑物(火山灰など)が固結したものは凝灰岩と呼ばれます。もとになった堆積物の種類によっていろいろな堆積岩が出来ます。

(1)砕屑岩(さいせつがん):岩石の風化による泥や砂、小石などが固まってできたもの。

① 泥岩(でいがん):の大きさが0.06mm以下の粘土や細かい粒が固まってできたもの。

② 砂岩(さがん):粒の大きさが0.06~2mmの砂粒が固まってできたもの。

礫岩(れきがん):粒の大きさが2mm以上の小石が固まってできたもの。

(2)凝灰岩(ぎょうかいがん):火山灰が固まって出来たもの。堆積するときに生物の死骸などが一緒に堆積すると骨などの腐りにくい部分が化石になって残ることがあります。そのため、化石を含むことがあるのが凝灰岩の特徴です。

石灰岩(せっかいがん):サンゴや貝など石灰質の骨格や殻をもつ生物の死骸が堆積して固まってできたもの。

チャート:沈殿した石英やケイ酸質の殻をもつケイ藻や放散虫の死骸が堆積して固まって出来たもの。

Ⅲ.変成岩(へんせいがん)

地下の高温や高圧によって岩石に含まれる鉱物の種類や岩石のつくりが変化することがあります。このはたらきを“変成作用”といい、変成作用によってできた岩石を変成岩といいます。

(1)マグマの熱により変成したもの:小さな結晶がすきまなく組み合わさっている特徴があります。

ホルンフェルス:主に泥岩が熱を受けて緻密になった岩石。

結晶質石灰岩(大理石):石灰岩が再結晶して粗粒になった岩石。

(2)地下深部の熱と圧力で変成したもの:結晶が同じ方向に並んでいるため、薄くはがれやすい特徴があります。

結晶片岩(けっしょうへんがん):強い力によって鉱物の結晶が一定方向に並んで縞模様を作ったり、一定方向に割れやすくなったりします。

千枚岩(せんまいがん):粘板岩が比較的低温で高圧を受けると千枚岩になります。

片麻岩(へんまがん):高い熱と圧力を受けて縞状の組織を持つようになった岩石。

蛇紋岩(じゃもんがん)かんらん岩が熱水により変質作用を受けて出来た岩石。

Ⅳ.地下深くマントルでつくられた岩石

カンラン岩:マントルをつくっている岩石。地下深くのマントルが、火山の働きや断層の働きなどによって上昇してくることで見られるようになります。

 

 

 

 

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次回は 第2回「火成岩①」

 

 

(担当 G)

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