『素粒子』 第6回(最終回)標準理論から統一理論へ | 奈良の鹿たち

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『素粒子』

第6回

(最終回)

「標準理論から統一理論へ」

 

 

<標準理論の限界>

現代の素粒子物理学は「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」の4つの力を統一的に説明する究極の理論を目指している。

さまざまな現象を十数種類の素粒子で「力の統一」を説明しようとするのが「標準理論 Standard theoryです。

しかし、この標準理論にはその限界も指摘されている。

①「重力」は標準理論の射程外とされているだけではなく、「重力」以外の3つの力の統一「大統一理論 Grand unified theory もまだ完成していない。

②宇宙に存在すると考えられる物質やエネルギーのうち、標準理論で説明可能なのはわずか5%にすぎないことだ。1960年代半ばには、宇宙には目には見えない大量の謎の暗黒物質「ダークマター」(宇宙の27%)が存在することが明らかになった。

③1998年には、宇宙が現在において加速膨張していることが突き止められたが、その理由が解明されておらず、正体不明のエネルギー「ダークエネルギー」(宇宙の68%)の存在が問題視されている。

④大型加速器LHCでようやく発見されたヒッグス粒子の質量が、大統一理論や究極の理論のエネルギースケールに比べてはるかに軽いという問題も指摘されている。

 

今やさまざまな点で標準理論を超える理論が求められている。

 

<標準理論を超える究極の理論とは>

標準理論は複数の理論から成り、4つの力のうち「電磁気力」「強い力」「弱い力」の3つ理論が含まれている。

このうち「電磁気力」と「弱い力」が電弱統一理論で統一された。

しかし、「電磁気力」と「弱い力」にさらに「強い力」の3つの力を統一的に説明する大統一理論の実証がまだなされていない。

研究者たちの期待を集めているのが超(対称)大統一理論だ。

この理論では、標準理論に登場する17の粒子に加え、各粒子に対してパートナーとなる粒子超対称性粒子の存在を予言している。最も軽い粒子超対称性粒子ダークマターの候補でありヒッグス粒子の質量の軽さを矛盾なく説明することもできる。研究者たちが次に狙うのは超対称性粒子の発見であり超(対称)大統一理論を実証する現象の補足だ。

さらに、やっかいな「重力」をも統合する究極の理論も提唱されている。

それが素粒子を振動する「ひも」ととらえる超ひも理論(超弦理論)superstring theoryだ。

この理論を実証する実験方法は未だ考え出されていないが、素粒子物理学の歴史は、先人たちの予言を実証する実験技術の発展の歴史でもある。

 

 

 

 

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『素粒子』全6回 完

 

 

(担当 P)

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