奈良の鹿たち

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悠々自適のシニアたちです

『全国温泉人気20湯』 

第10回(最終回)

          ● (2位) 下呂温泉(げろ おんせん)

          ● (1位) 草津温泉 (くさつ おんせん)

観光経済新聞社主催 「第37回(2023年度)にっぽんの温泉100選」

100選一覧はイントロページに

 

● (2位) 下呂温泉(げろ おんせん)

下呂温泉は、岐阜県下呂市にある温泉。室町時代には有馬温泉や草津温泉とともに「三名泉」とされ、江戸時代にもこれらの三温泉を「天下の三名泉」と記されている。

飛騨川を中心に歓楽的な賑わいと山里の風情が調和して、下呂温泉の魅力を醸し出している。

昭和5年の下呂駅開業など、JR高山線の開通や国道41号の全線開通によって発展してきた。

 

(泉質)

下呂温泉は、無色透明でほんのりとした湯の香りがあり、実になめらかな肌ざわりの温泉。入浴すると身体が大変温まるので血行が良くなり、疲労回復や健康増進に効果があるため「健康の湯」といわれている。また、Ph値9以上というアルカリ性特有の石鹸効果によりツルツルした肌ざわりといわれ、「美人の湯」とも呼ばれている。この泉質は運動浴にも適しているといわれる。

泉温84度という高い温度で湧いている正真正銘の天然温泉。泉質はアルカリ性単純泉、無色透明、ほのかな香りととてもまろやかなお湯。

効能は、リウマチ、運動機能障害、神経症、神経麻痺、病後回復、疲労回復など、pH9.2で天然の石鹸効果で、滑らかな肌ざわりは美容や健康づくりにも優れた効果がある。

下呂温泉では良質な温泉を将来にわたって安定供給するため、温泉の集中管理システムを導入しており、現在55度の温泉を各旅館に配湯している。

 

(温泉街)

下呂駅から飛騨川(益田川)沿いを中心に旅館・ホテルが林立している。川沿いのほか、両岸の山腹部にも宿泊施設があり、多くは下呂駅とのシャトルバスの便がある。

旅館や高級ホテルからビジネスホテルまで、各種ホテルが多数ある。

下呂温泉旅館協同組合では「湯めぐり手形」を発売している。「湯めぐり手形」1枚につき、手形加盟旅館の中から3箇所を選んで立ち寄りで、入浴することができる。

噴泉池:下呂温泉街の真ん中を流れる飛騨川の河川敷にある、下呂温泉のシンボル。

噴泉池

 

(歴史)

10世紀の延喜年間から天暦年間の頃に、現在の温泉地の東方にある湯ヶ峰(1,067m)の山頂付近に温泉が湧出したのがはじまりである。泉効があり、当時から湯治客があったと言われる。

鎌倉時代、1265年(文永2年)に山頂からの湧出は止まったが、現在の温泉地である飛騨川の河原に湧出が発見された。室町時代に、草津・有馬とともに天下三名泉として全国に紹介された。江戸時代にも草津・有馬とともに名湯として挙げている。当時の泉名は「湯島」と言い、その後、湯之島温泉が下呂温泉の別名としても使われた。温泉地は飛騨川の氾濫の度に壊滅的な被害を受けてきたが、その度に復興してきたものの、江戸時代の安政の大洪水で湯脈が破壊されて湧出口を失い、明治時代には寂れてしまった。

昭和初期には、1930年(昭和5年)の高山本線下呂駅開業を見据えて、名古屋の実業家・岩田武七(現在のマドラスの創業者)が採掘事業に乗り出し、1931年(昭和6年)に湯之島館を開業した。同旅館の建物は国の登録有形文化財になっている。以来、JR高山線の開通や国道41号線の全線開通によって発展してきた。

現在の湯之島館

 

(アクセス)

(鉄道)

JR高山線 下呂駅

新型特急ひだ号

· JR東海 高山本線:名古屋駅~岐阜駅~下呂駅~高山駅~富山駅(特急ひだ号)

· 特急ひだ号は、大阪駅発着も1往復運行されている。

(バス)

<路線バス>

·高山濃飛バスセンター~下呂温泉下~下呂バスセンター

·高山濃飛バスセンターにて、新宿、名古屋、岐阜、京都・大阪方面の高速バスと上高地・松本、白川郷・金沢方面の特急バスに接続。

·<特急バス>下呂バスセンター~下呂温泉~高山濃飛バスセンター~白川郷

(車)

·中央道 中津川ICより国道257号経由。

·東海北陸道 郡上八幡ICより国道256号・国道41号経由。

 

 

● (1位) 草津温泉 (くさつ おんせん)

草津温泉は、日本の群馬県吾妻郡草津町草津界隈に所在する温泉である。

草津白根山東麓に位置する。

室町時代には有馬温泉や下呂温泉とともに「三名泉」とし、江戸時代にもこれらの三温泉を「天下の三名泉」と記した(日本三名泉)。 江戸時代後期以降何度も作られた温泉番付の格付では、当時の最高位である大関が定位置であった。かつては、「草津の湯」あるいは、「上州草津の湯」と呼ばれることが多かった。古くから薬湯と知られており、恋の病以外は全て効くと言われてきた。

標高1100~1200mの高地に温泉街が広がっている。北西部には、湯釜で有名な白根山〈2,160m〉が聳えている(上信越高原国立公園)。

白根山(湯釜)

 

(泉質)

自然湧出量は日本一を誇り毎分32,300ℓ以上、1日にドラム缶約23万本分もの温泉が全て自然に湧出している自噴泉である。草津の旅館や温泉施設で「源泉かけ流し」ができるのはこのおかげである。

泉質はpHは2.1(湯畑源泉)と強酸性の酸性低張性高温泉である。この強酸性泉による殺菌作用、成分に含まれる硫酸アルミニウムによる収斂作用、皮膚の刺激作用により切り傷から、皮膚病・神経痛・糖尿病ほか雑菌などの殺菌効果がある。ハンセン病、梅毒、皮膚病まで幅広い病の患者を受け入れてきた。五寸釘を湯川の中に入れて置くと10日ほどで融けて無くなってしまう。この強酸性のために下流の品木ダムには酸性中和施設がある。温泉の湧出ケ所は数10カ所といわれているが、主に町で所有又は管理している源泉がほとんどで、万代源泉・湯畑源泉・白旗源泉・地蔵源泉・西の河原源泉・煮川源泉・熱の湯源泉の7源泉が代表的なもの。

湯温も摂氏50~95度前後と高い。中でも万代源泉は約94.5℃と高温のため、ラジエーターを使い水道水と熱交換して温度を約54℃に下げたものを浴場に利用し、万代源泉以外の源泉は温度50℃前後で湧出しているため古来よりそのまま浴用として利用されてきた。昔から草津節などを唄いながら湯もみ板で温泉をかき回し湯温を下げる「湯もみ」が行われてきた。

「湯もみ」

草津温泉は、草津白根山から東へ流れる地下水に火山ガスが出会って生じていると考えられている。降ってから数ヶ月から数年の比較的新しい地下水が主体となっており、湧出量は直前の降水量の影響を強く受けている。

 

(温泉街)

温泉地の中央に湯畑を中心とした古風な日本情緒に溢れた温泉街があり、それを取り巻くようにリゾートホテルやペンション、大滝の湯、西ノ河原公園、テルメテルメおよび温泉センターなどの温泉関連施設のほか、草津音楽の森国際コンサートホールや草津熱帯圏などの諸施設が位置している。

湯畑

温泉街の中心に位置する草津温泉のシンボル湯畑は、幅20、長さ60mの湯畑は毎分約4000Lを湧出している。草津温泉の各源泉には緑色の湯垢のようなものが散見されるが、これはイデユコゴメ類などの温泉藻である。

 

(歴史)

江戸時代は、現在と比べて交通は不便にもかかわらず、湯治客で賑わいは年間1万人を超える数を記録している。近世を通じて60軒の湯宿があり、幕末には「草津千軒江戸構え」といわれるほど栄えていた。

明治時代、外国人医師や牧師らによって「ハンセン病に効く湯治場」としての地位が確立された。草津温泉郷にはハンセン病集落が出来ていた。

その後、1931年(昭和6年)にらい予防法が制定されると、その直後の1932年(昭和7年)には国立らい療養所栗生楽泉園が開設された。

戦後、ハンセン病治療特効薬が導入され、これが絶大な治療効果をもたらし、ハンセン病は克服されたため、温泉療法は急速に廃れ、ハンセン病の湯治場としての草津温泉は方向転換を余儀なくされた。

1975年(昭和50年)に湧出量4,700ℓ/分の万代鉱源泉の利用が始まり、これを機に草津町による集中管理給湯システムが整えられた。給湯量に余裕ができ、それまで温泉施設の無かった高台にも給湯が可能になったため、一気に草津温泉の規模は拡大した。

万代鉱源泉

 

(アクセス)

鉄道

JR軽井沢駅~草津温泉

・北陸新幹線およびしなの鉄道線の軽井沢駅から草軽交通または西武観光バスの草津温泉行きで約80~95分、終点の草津温泉バスターミナル下車。

・JR東日本吾妻線長野原草津口駅からJRバス関東の志賀草津高原線で約30分、終点の草津温泉バスターミナル下車。

路線バス

・JRバス関東 長野原草津口駅~草津温泉バスターミナル~白根火山

・草軽交通 軽井沢駅~北軽井沢~草津温泉バスターミナル~白根火山

・西武観光バス 軽井沢駅~鬼押出し~白根火山~草津温泉バスターミナル

・草津温泉町内巡回バス 草津温泉バスターミナル~草津町内循環

高速バス

横浜~草津温泉

・JRバス関東の上州ゆめぐり号が東京駅、バスタ新宿(新宿駅新南口)と草津温泉を結んでいる。直行便は3時間45分。

・JRバス関東にて、東京駅八重洲口と草津温泉を結ぶ直行便(東京ゆめぐり号)も運行されている。

・上田バス、京王バス、東急トランセにて、渋谷マークシティ(渋谷駅)と草津温泉を結ぶ高速バスも軽井沢経由で3往復運行されている。

・上田バス、東急バス、相鉄バスにて横浜駅、新横浜駅、たまプラーザ駅と草津温泉を結ぶ高速バスも軽井沢経由で3往復運行されている。

・千曲バスにて玉川上水駅、立川駅と草津温泉を結ぶ高速バスも軽井沢経由で1往復運行されている。

・関越交通、関東バスにて吉祥寺駅と草津温泉を結ぶ高速バスも2往復運行されている。

・秩父鉄道観光バスがJRバス関東とアライアンス提携を行い、加須駅・行田市駅・熊谷駅と草津温泉を結ぶ高速バスも1往復運行されている。

・関越自動車道 渋川伊香保IC(東京側)および沼田IC(新潟県側)からいずれも約60km。

・上信越自動車道の碓氷軽井沢IC。

・上信越自動車道の上田菅平IC。

・上信越自動車道の信州中野IC。

 

 

 

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『全国温泉人気20湯』全10回 完

 

 

(担当 G)

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