原題:COLDFISH
製作年:2010年
製作国:日本
上映時間:146分
監督:園子温
脚本:園子温、高橋ヨシキ
出演:吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲


あらすじ:熱帯魚店を営んでいる社本と妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。


今の日本映画は漫画の実写化やドラマからの映画化等、国内の観客のみを意識して作られている作品ばかりである。世界中の観客を意識し、世界の賞レースで賞を獲るために作るという気概がある監督があまりいない。昔の日本映画で国際的に評価されている監督は、溝口健二監督、黒澤明監督、大島渚監督、今村昌平監督、深作欣二監督等々沢山いる。しかし、今の日本映画は商業的で大味な作品が多い。毒にも薬にもならない物ばかりである。それに反し、今の韓国映画は商業的な作品もあるが、毒にも薬にもなる作品がたくさんある。最近の作品で言えば、『息もできない』『母なる証明』『チェイサー』等である。そんな韓国の映画界を見て、日本の映画界は焦らなくてはならない。今の日本映画を変えてやる!という心意気の監督が出なければならない。現在、その心意気を持った日本映画監督の一人が園子温監督である。『冷たい熱帯魚』は、エログロの世界観を惜しみなく放出している。『死』と『暴力』のロンドに踊り狂う人物模様は可笑しく、恐怖に満ち、悲しい。正に、狂気と笑いは紙一重だ。外国映画で例えるなら、コーエン兄弟の『ファーゴ』の世界観と似ている。『冷たい熱帯魚』は、エンターテイメント作品とは真反対に位置する作品なので、覚悟を持って観に行かれることをお勧めする。




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