バンコク 2日目の夜 ②
多久味
玄関前で客待ちをしている若いタイ人女に
2人よ
と告げると
たどたどしい日本語で
『 お二階へどうぞぉ 』
ですって
よく見るとこの女
無理やり晴れ着を着させられた七五三の子供みたいだわ
着物の似合わないタイ人女の案内で2階へ
暖簾をくぐると
板前やホールスタッフが総出でお迎え
皆、声をそろえ
慣れた調子で
『 いらっしゃいませ~~~ 』
全員のイントネーションがおかしいから
笑ってしまったわ ![]()
ポーズはいいから
早く注文なさい
可愛いのは知ってるから
早く注文なさい
タイで日本食を食べるのは
ボーイと一緒のときだけ
しかも
揚げ物しか食べないわ
寿司や刺身は絶対に食べないの
![]()
だから
メニューをパラパラめくって迷うこともないわ
「アタシは決まったわ。アンタ、何にするの?」
「寿司・・・ 刺身・・・ 丼・・・ どれにしようかなぁ」
「全部頼めばいいじゃない」
「いいの?」
「食べたいんでしょ」
「あっつ、刺身の盛り合わせが 500バーツだって」
「本当? ちょっと見せて」
メニューを受け取って見ると
「500 B ~って書いてあるじゃない!」
「だから、500 でしょ」
「違うわよ! 500 ~ってことは、500 かもしれないし
1000 かもしれないし、2000 かもしれないじゃないの」
「そうなの?」
「よく見なきゃだめよ。確認が必要だわ」
「そう言えば、日本の物価は世界標準から取り残されてるんでしょ?」
「何? どうしたの急に。うふふ。軍隊で経済でも習ったの?」
「どうして笑ってるの?」
「掛け算の九九を習ったばかりの小学生が、誰かに聞いて欲しくて言うんだけど、結局、間違える姿を思い出したのよ。
2×1が2、2×2が4、2×3が5 ・・・みたいにね」
「えっつ、間違いなの?」
「そうよ。時間じゃあるまいし、物価に世界標準なんかあるもんですか! 馬鹿馬鹿しい! 例えばよ、ペットボトルの水の値段がこれが世界標準ですって、決まってるの? 物価が高い、安いっていうのが普通でしょ。」
「う、うん」
「物価上昇率が高い、低いって言うなら、まだ分かるわ。ただし、世界ってなると、アフリカのジンバブエのようなハイパーインフレの国も入るから意味ないでしょ。そうなると G7 のような先進国だけで考えるのか G20 まで広げるのかで話はかわってくるわね。ともかく、デフレが長いから、物価の世界標準から取り残されたなんて、奇妙奇天烈な戯言をのたまう輩は、無知蒙昧! 物事の本質が理解できず表面しかみれないのね。お気の毒に・・・」
「そうかぁ」
「軍隊学校で経済を教えてる教官は落第ね」
「教官じゃないよ。日本人のブログに書いてあったんだ」
「まあ、そんな恥ずかしいこと書いてあるの! きっと、松居一代ね。 自作自演の怪談婆。とんだ経済音痴だわ」
「そんな名前じゃなかったなぁ」
「わかった。和製ピノキオの GENKING。 オツム空っぽの虚飾屋」
「それも違うかなぁ」
「じゃあ、おバカタレントの・・・ あぁ、名前が出てこないわ」
「僕も覚えてないから、もういいよ」
「ともかく、ブログも玉石混交、平気の平左で大嘘を書く厚顔無恥がいるから、ちゃんと見極めなきゃダメよ」
「でも、外国の航空会社が日本を見限るっていうのは、本当なんじゃない?」
「それも、1 から 10 まで全部嘘! さも事情通ですってデカい顔してデタラメを並べ立てる自己顕示欲の強いホラ吹きがいるのよ。そもそも見限るって、具体的にはどういうことなのか分からないでしょ。典型的なペテン、詐欺師の手口と同じよ。論理的な説明は何一つせず、具体的なことは一切提示せず、抽象的な話に終始して、漫然と不安を煽る。見限るっていうのが撤退ということなら、日本への訪問客数が3000万人に迫り、2020年には4000万人という数字が現実味を帯びてきたのに、撤退する訳ないでしょ。小学生でも分かることよ」
「もういいよ。そんなに怒らないでよ」
「そうね。御飯が不味くなるから話題を変えましょ」
アタシは、天丼セット
K は
マグロの刺身に
マグロ丼に
とんかつに
餃子
あまりの量に残すかと思ったけれど
きれいに完食していたわ ![]()
やっぱり
若いって凄いわね ![]()
さらに
アタシが驚いたのは
わさびを泳ぐほどに醤油に溶かして
いえ
醤油をわさびの山にかけて
マグロを浸して食べてたわ
それじゃあ
マグロを食べてるのか
わさびを食べてるのか
わからないわ ![]()
マグロの味なんてしないでしょうに ![]()
御馳走様 ![]()










