ネット上では、よく、類似映画を“リメイクだ!”とする記述があり、本サイトへでのリストアップ作業上、混乱させられます。

例えば、「或る夜の出来事('34)」を「ローマの休日('53)」「卒業('67)」のオリジナルだとする考えが有るようですが、クレジット上は原作が異なり、リメイクだとする記述はありません。

卒業

邦題:卒業
原題:The Graduate
製作:1967年 米
監督:マイク・ニコルズ
出演:ダスティン・ホフマン、他
原作:チャールズ・ウェッブ(小説)
粗筋:大学を卒業したベンジャミンは人妻と関係を持ってしまうが、彼女の娘と知り合い、真実の愛に目覚める…。
そして、映画史上に残るラストシーンが「或る夜の出来事」のラストと被る。

ローマの休日

邦題:ローマの休日
原題:Roman Holiday
製作:1953年 米
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:オードリー・ヘップバーン、他
原作:アイアン・マクラレン・ハンター
粗筋:小国の王女と新聞記者との切なくもロマンチックな恋を描いた永遠のラブストーリー。

或る夜の出来事

邦題:或る夜の出来事
原題:It Happened One Night
製作:1934年 米
監督:フランク・キャプラ
出演:クラーク・ゲーブル、他
原作:サミュエル・ホプキンス・アダムス(短編「Night Bus(夜行バス)」)
粗筋:偶然バスで出会った大富豪のわがまま家出娘と失業中の新聞記者の交流を描いたロマンチックコメディ。


「或る夜の出来事」は、当時のアカデミー賞の作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞を独占したそうで、後の多くの作品に影響を与えた事は想像に易い。

20年後、30年後にこの様な名作にヒントを得て製作される作品は多々有ります。

「フランケン…」や「ドラキュラ」は民話としてではなく、原作小説が存在する。が、原作を離れて派生した作品は数多い。

この他にも、黒澤明監督の「羅生門」を思わせるミステリアスな構成の作品として「戦火の勇気('96)」がある。

「グエムル~漢江の怪物('06)」はあるシーンから、「機動警察パトレイバー」劇場版3作目('02)の“剽窃だ!”とインターネット上で話題になり、誣()いては“「グエルム」は「機動警察パトレイバー」のリメイク”とまで言われた。

※「ローマの休日('53)」は、1987年にTV映画「新・ローマの休日」としてキャサリン・オクセンバーグ主演でリメイク。また、製作50周年記念デジタル・ニューリマスター版は2003年に。


また、こんな例もあります。

欧州映画「エコール('04)」は、公開当時にルシール・アザリロヴィック監督自身が、イタリアン・ホラーの最高傑作とも言われている「サスペリア('77)」と原作が同じ、つまりリメイク作品だとインタビューに答えていた。
しかし、「エコール」の原作は19世紀の作家フランク・ヴェデキンドの小説「ミネ・ハハ(笑う水)」なのに対して、「サスペリア」の原作はトマス・ド・クインシーの阿片体験にもとづく自伝的小説「深き淵よりの嘆息」である。
両作の類似性からか、「サスペリア」も小説「ミネ・ハハ(笑う水)」を原作としているものだと思い込んでいたようだが、これは明らかに、ルシール・アザリロヴィック監督の勘違いだった。

エコール

邦題:エコール
原題:INNOCENCE
製作:2004年 ベルギー・仏
監督:ルシール・アザリロヴィック
出演:マリオン・コティヤール、他
原作:フランク・ヴェデキンド(小説「ミネ・ハハ(笑う水)」)
粗筋:アメリカからやって来たバレリーナの身に起こる数々の恐怖を描くホラー。

サスペリア

邦題:サスペリア
原題:Suspiria
製作:1977年 伊
監督:ダリオ・アルジェント
出演:ジェシカ・ハーパー、他
原作:トマス・ド・クインシー(小説「深き淵よりの嘆息」)
粗筋:アメリカからドイツの名門バレエ学校に留学してきた少女は、数々の奇怪で凄惨な連続殺人事件に巻き込まれていく。


関係者自身が混乱を招く情報を発し、且つ、確認を怠ってそのまま報道したマスコミ(当時、日本語版公式サイトにこの誤った情報が掲載されていた)には困ったものだ。

これら類似作品は、極力除外します。