高校の卒業に続き
自立支援の退所も決まった
自立支援に入った当初は
入浴やトイレを自分の力だけで
できるようになるのか不安だったが
不安とか全部ひっくるめて
結局は
自分がやるかやらないか
ただそれだけのことだった
時間はかかったが
ひとつひとつ着実に目標を達成していくのは
なんだか気持ちが良いものだった
自立支援を退所した僕は
就労移行支援へ入所した
寮の部屋は変わらず
1日のスケジュールが大幅に変わった
いままでは自立に向けた
リハビリがメインの1日だったが
今度は社会復帰に向けて
事務系のパソコンを1日学ぶ
その合間に
自動車教習を行い
免許の取得を目指した
僕はこれまでにほとんどパソコンに触れてこなかったため
最初はすごく手間取っていた
事務系の仕事で使うExcelやWordといったものを基礎から学んだ
最初は手間取ったものの
はじめて学ぶExcelやWordは楽しかった
指が麻痺しているため
キーボードを打つときは
専用の自助具を使っていた
就労移行支援は
事務系の仕事を目的としているため
パソコンだけでなく
伝票整理などの訓練もあった
指の使えない僕にとって
伝票整理がかなり大変だった
僕はそんな伝票整理が徐々に嫌いになっていた
そのため
浅川くんとよく休憩がてら喫煙所でサボったりもした
そうでもしなきゃやってられなかった
当時は
そもそも
なんで障害者になってまで働かなきゃいけないんだと思ったりもした
”生きているだけで精一杯”
正直なところ
それが本音だった…
物語の始まり