自立支援での生活が
僕たちの青春の1ページだった
僕の仲間達は、大体が若くして障害のある生活を余儀なくされていた
そのため
僕たちの青春は
途中で終わっていた
だから
僕たちは
僕たちなりの青春を謳歌した
平日は日中にリハビリやら車の教習
みんなそれぞれやることをやり
それが終われば僕たちの自由の時間だ
リハビリの後、夜みんなでご飯を食べにいったり
夜遅くに喫煙所に集まり
くだらないことをしたり
たわいもない話で盛り上がったりもした
週末には
都内へ買い物に行ったり
みんなでカラオケに行ったりもした
なによりも
一番の思い出は
渋谷で朝までオールしたことだ
車椅子の集団が、深夜の渋谷を遊び回っている姿を想像できるだろうか
この話をすると
大体の人に驚かれるのだが
別に普通のことだと思う
ただ車椅子に乗っているってだけで
20代の若者とやりたい事は一緒だ
みんなと同じように
女の子と遊びたいし
ナンパだってしてみたい
彼女を作って
幸せな時間を過ごしたいし
将来結婚して
子供に恵まれて
幸せな家庭を築きたい
みんなと考えている事は同じなのに
なぜ
”車椅子だから”
”障害者だから”
と言って、違う目で見られるんだろう…
僕は疑問を抱いていた
だけど
そんな白い目で見られる外の世界も
みんなが一緒だと
ちっとも怖くなかった
仲間という存在が何よりも心強かった
僕はみんなと堂々と外の世界を楽しんでいた
”車椅子でも”
”障害者でも”
当たり前の世の中を
当たり前のように生きられる世の中になって欲しいと
切に願っている
物語の始まり