成人式も終わり

 

再び埼玉へ行く日が近づいていた

 

 

次に埼玉へ行くときは

 

本格的な自立を目指すため

 

かなり長い期間訓練することになる

 

そのため

 

山梨へいつ帰れるかわからない

 

せっかく出来た浅川くんという最高の相棒とお別れをするのは寂しかった

 

 

浅川くん「そろそろ自立支援に行くんでしょ?」

 

僕「そうだね…」

 

浅川くん「寂しくなるね」

 

僕「てか、浅川くんも来なよ!」

 

浅川くん「え?」

 

僕「だって浅川くんもいずれ自立目指すでしょ?」

 

浅川くん「うん」

 

僕「だったら早いうちに、専門の機関でやった方がいいじゃん!」

 

浅川くん「確かに!俺も行ってみたい!」

 

 

結局

 

僕が埼玉へ行った後に

 

浅川くんも来る方針になった

 

少しのお別れといえど

 

浅川くんとたくさん思い出を作った

 

外の世界へなれるために

 

近くのアピタに一緒に行って

 

たこ焼きを食べたりもした

 

成人式の時は

 

車椅子1人で周囲の目が気になって仕方がなかったが

 

浅川くんと一緒の時は

 

そんなことは全然なかった

 

なんだか不思議な感覚だった

 

 

浅川くんとの日々はとても濃かった

 

毎朝一緒にタバコを吸い

 

リハビリの時間には

 

いつも笑い声が絶えなかった

 

時々

 

なぜか浅川くんのところには可愛いギャルがお見舞いに来ていた

 

僕は

 

”なぜだ”

 

と思っていた

 

”なぜゴリラのところにキラキラしたギャルが来る…”

 

 

僕「浅川くんのところよく可愛い人くるよね」

 

浅川くん「あ〜そうかな」

 

このスカした態度が、なぜかムカつく

 

まあ、ただの嫉妬なんだが…

 

僕「なんでゴリラのとこに…」

 

浅川くん「おいっ!」

 

僕は疑問が拭えなかった…

 

ある時なんかは

 

浅川くんの部屋に遊びに行ったら

 

女の子に歯磨きをしてもらっていた日もあった

 

その光景を目の当たりにした時は

 

僕は嫉妬で荒れ狂っていた

 

 

浅川くんが女性からモテていたのかどうかは

 

今でもわからない…

 

 

 

浅川くんとの出会い