僕にはいろんな制限を設けられた

 

 

まず

 

挨拶チェック表というものをドアに貼られた

 

僕「それなんですか?」

 

看護師「ああ、”おはよう” ”こんにちわ” ”ありがとうございます”」

 

看護師「簡単だよ!ちゃんと言えば、ここに丸がついていくから頑張って」

 

馬鹿にされている気分だった

 

リハビリ以前に

 

まるで保育園のようだった

 

僕「くだらなっ…」

 

かなり恥ずかしい気持ちになった僕は

 

ふて寝をしようとした

 

 

すると看護師さんが

 

とどめのひと言を僕に言い残した

 

 

看護師「あっ!そうそう、それ丸がつかないとお菓子食べれないからね!」

 

ニコニコしながら部屋を去っていった

 

僕「ちょっ…!」

 

病院食が絶望的にまずい僕にとって

 

お菓子禁止というのは

 

かなりの地獄だった…

 

 

 

次に設けられたのは

 

リハビリの時間は車椅子に乗って

 

リハビリ室にいく事だった

 

僕はいかないと言い張っていたが

 

身動きのできない僕は、半強制的に車椅子に乗せられた

 

担当の作業療法士は

 

山田さんという男性だった

 

山田さん「よしっ!行こっか」

 

まだ座位がうまく取れないため

 

リクライニング式の車椅子だった

 

僕は不貞腐れながら渋々連れていかれた

 

 

リハビリ室へ着くと

 

僕の腐っていた瞳に少し輝きが戻った

 

理由は単純だ

 

そこには可愛いスタッフがちらほら見えたからだ

 

僕「お年寄りばっかじゃん…」

 

そういう僕を見て

 

山田さんが僕の異変に気づいた

 

山田さん「あれっ!なんか表情変わった?」

 

山田さんは笑っていた

 

僕「別にっ…ちょっと可愛い人が…」

 

山田さん「えっ!!!なになに?」

 

僕「うるさいな〜…」

 

 

リハビリ室はなんだか楽しかった

 

リハビリを頑張れているとかではなかったけど

 

いろんなスタッフがたくさん話しかけてくれたからだ

 

18歳の僕にとって

 

チヤホヤされるのはとても気持ちのいい事だった

 

この時間は

 

少しは嫌なことを忘れられるかけがえのない時間になった

 

 

僕はそれから少しずつ変わり始めた

 

なんとしてでもお菓子を食べたい僕は

 

気持ちがこもっていなくても

 

とにかく挨拶はした

 

リハビリの時間は

 

リハビリ室へ行って

 

可愛いスタッフを見て目の保養をし

 

時には

 

外へ散歩に行ったりもした

 

山田さんにはかなり心を開き始めていた

 

 

そんな生活が続き

 

再び院長先生との再会を果たす事になる

 

 

 

物語はここから