僕の荒れた入院生活が始まる…

 

 

”生涯車椅子生活になるんだよ”

 

 

先生の言ったこの言葉が

 

僕の頭から離れなかった

 

 

歩けるようになる

 

前と同じ生活に戻れるようになる

 

そう意気込んで、リハビリ病院へ来た

 

けれども

 

先生のその一言で、僕の理想を全て覆された

 

 

何もかもがどうでもよくなった僕は

 

まるで人格が変わったかのように荒れていく

 

 

スピーチカニューレを清潔に保つために

 

定期的に交換してもらう

 

この交換が、かなりの激痛なのだ

 

 

この日も、スピーチカニューレの交換で看護師さんが来た

 

看護師「奈良井さーん、今日も交換しますね〜」

 

僕は返事もしなかった

 

看護師「…しますね」

 

看護師さんは、黙々と作業をしていた

 

いつものように、激痛だった

 

僕「いっ…」

 

僕「痛えんだよ!!!クソババア!!!」

 

僕は、看護師さんに向かって暴言を吐いた

 

 

だが

 

全てがどうでも良くなっていた僕は

 

まったく悪びれた様子はなかった

 

すると看護師さんが

 

看護師「悪かったね…」

 

看護師「でもあたしがクソババアだったら、あんたはクソガキだよ!!!」

 

そう言い残し

 

看護師さんは部屋から出ていった

 

 

すごく悔しかった

 

物にあたることも出来ない

 

気持ちをぶつける場所もない

 

僕は無力な人間だった

 

 

僕「クソがああああああ…!!!」

 

僕はその時出せる最大限の声で叫んだ

 

 

けれど、その微かな声は

 

小さな狭い部屋の中にしか響かなかった…

 

 

 

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