残された時間はあっという間に過ぎていく

 

お母さんの容態は、どんどん悪くなっていった

 

 

 

高校は終業式が終わり、冬休みになった

 

みんなが楽しそうに帰る中、僕の頭の中はお母さんの事でいっぱいで

 

冬休みなんてどうだってよかった

 

 

僕は、原付の免許を持っていたので1人でお見舞いに行く日もあった

 

だけど、先生の話を聞いて以来どんな顔して会いに行けば良いのかわからなかった

 

その日、お母さんはずっと寝ていた

 

その姿は

 

まるでもう死んでしまったかのようにも見えて

 

僕は隣で手を握りながら、ただひたすらに泣いていた

 

その時、

 

僕の心の中で何かが壊れる音がした

 

 

お母さんの病気がわかった時、働くという選択をなぜできなかったんだろう

 

忙しくて大変なのは分かっていたのに、なぜサッカーをやめる選択ができなかったんだろう

 

なんでもっとお母さんの側に居てあげられなかったんだろう

 

なんで自分の事よりも、お母さんのことを優先できなかったんだろう

 

後悔の念ばかりが僕を押し潰す

 

自分のことが憎くて憎くて仕方がなかった

 

次第に僕は、自分を愛せなくなっていた