1月30日、第67回労働政策審議会雇用環境・均等分科会にて、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案要綱」の諮問・答申が行われました。これを受け、通常国会に法案が提出される予定です。

 

要綱によれば、施行時期とそれぞれの主な改正事項は下記となっています。

 

① 公布の日

 → 次世代育成支援対策推進法の有効期限の延長

 

② 令和7年4月1日

 → 子の看護休暇および介護休暇の改正、介護についての申出があった場合等における措置等の新設等

 

③ 公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日

 → 3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者等に関する措置の新設等

 

ここでは、上記の内容を紹介することとし、1月31日分ではを、2月1日分ではを取り上げます。

 

【令和7年4月1日施行】

子の看護休暇の改正

 → 学校の休業その他これに準ずるものとして省令で定める事由により生じた当該子の世話を行うため、または当該子の教育もしくは保育に係る行事のうち省令で定めるもの(注1)への参加をするために取得することができる休暇とする

 → 小学校第3学年修了前の子(9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子をいう)を養育する労働者が取得できるものとする

 → 名称を「子の看護等休暇」に改める

 (注1)当該子の入園式、卒園式、入学式その他これに準ずるものとする予定〔省令〕

 → 労使協定で子の看護等休暇を取得することができないものとして定めることのできる労働者から、当該事業主に引き続き雇用された期間が6月に満たない労働者を除く

 

介護休暇の改正

 → 労使協定で子の看護等休暇を取得することができないものとして定めることのできる労働者から、当該事業主に引き続き雇用された期間が6月に満たない労働者を除く

 

育児のための所定外労働の制限の改正

 → 所定外労働の制限を請求することができないものとして労使協定で定められた労働者に該当しない労働者が当該子を養育するために請求した場合に、所定労働時間を超えて労働させてはならない労働者の範囲を、3歳に満たない子を養育する労働者から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者へと拡大する

 

介護についての申出があった場合等における措置等の新設

 → 事業主に対し、家族が介護を必要とする状況に至ったことを申し出たときは、省令で定めるところ(注2)により、介護休業に関する制度、仕事と介護との両立に資するものとして令で定める制度または措置(以下、「介護両立支援制度等」という)その他省令で定める事項を知らせるとともに、介護休業申出および介護両立支援制度等の利用に係る申出(以下、「介護両立支援制度等申出」という)に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の省令で定める措置(注2)を講じなければならない

 → 労働者が40歳に達した日の属する年度その他の省令で定める事項を知らせるのに適切かつ効果的なものとして省令で定める期間の始期に達したときは、省令で定めるところにより、当該労働者に対して、省令で定める期間内に、当該事項を知らせなければならない

 → 事業主は、労働者が申出をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない

 

雇用環境の整備および雇用管理等に関する措置の改正

 → 事業主は、介護休業申出・介護両立支援制度等申出が円滑に行われるようにするため、次のいずれかの措置を講じなければならない

 1 研修の実施

 2 相談体制の整備

 3 省令で定める雇用環境の整備に関する措置

 

育児休業の取得の状況についての公表の改正

 → 公表しなければならない事業主の範囲を、常時雇用労働者数1,000人超から300人超へと拡大

 

育児のための所定労働時間の短縮措置等の改正

 → 業務の性質または業務の実施体制に照らして、育児のための所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者であって3歳に満たない子を養育するものについて育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないときに、当該労働者に関して省令で定めるところにより講じなければならない措置の選択肢として、在宅勤務等の措置を加える

 

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者および家族の介護を行う労働者に関する措置の改正

 → 1歳に満たない子を養育する労働者(育児のための所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者であって1歳に満たない子を養育するものを除く)で育児休業をしていないもの及びその1歳から3歳に達するまでの子を養育する労働者に関して講ずるよう努めなければならない措置として、在宅勤務等の措置を加える

 → 家族を介護する労働者に関して講ずるように努めなければならない措置として、労働者の申出に基づく在宅勤務等をさせることにより当該労働者が就業しつつその要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするための措置を加える