「何を守るよりも自分の心を守れ。そこに命の源がある。」
          旧約聖書 箴言4-23

 

私の座右の銘でもありますこの聖句なのですが、あなたこの言葉をどのように受け止めるのでしょうか。
 

自慢にもならない私の過去ですが、確かに大金を右から左へと動かし、それなりの人脈もありました。

その時はその時で幸せだと感じていたのは事実です。

そしてその反面、まだ少年の頃には一円のお金もなく、身内さえいない私に科せられたのは路上生活。

 

「どうして生きて行こうか。」
 
と真剣に悩み、自死さえ考えて実行し、何故か不思議と命を救われましたが、救って下った方に悪意を抱いた時もあります。
 

旧奈良監獄

 

でも、この聖句と出会ったとき、
「本当の自分の幸せって何なのだろうか。」

 

と、考えさせられました。

「自分の心を守る。」

しかも、刑務所内の独居拘禁を科せられている時にです。

 

自問自答の日々が続きました。
お金?  違います。
では名誉?  違います。

お金や名誉は人の目を常に気にして、背伸びして、決して本当の幸せとは言えませんでした。

 

色々と悩み考え、守らなければならない自分の心をと問い質したとき、思い至ったのが、
 
「人の笑顔を見ること」 でした。
 
しかも、金銭的でなく、心が貧しい人たちが心からの笑顔を私に観せてくれたとき・・・・
そこに私の幸せがあり、命の源が在ることに気付かされたのです。
自分が一番に守るべきもの・・・・
 
それは、低みに立たされ、軽蔑され、こころ悩まされている方々の友となり、イエスさまが辿られた道に一歩でも近づく事。
 
決して綺麗事ばかりではありませんでしたが、その想いを以て出所後から今までの時を経て参りました。
 
脳梗塞で倒れて生かされても、利き手・利き足の不自由さと生活の困難さのなかに在ろうとも、未だ私の命の源は消えていません。
 
みなさんは、自分の心の何を守りたいですか?
自分にとって、命の源はなんでしょうか?
 
自問自答する時間が、持てる「時」が授けられたら良いですね。