バスのなかで2 | 精巣腫瘍をめぐる冒険

精巣腫瘍をめぐる冒険

Ⅲ年b組 予後中間群

車窓からそとを見ていました。
『ん?』と、ふとそう感じたときには、もう駅に着いていました。
わたしはバスを降りました。色々な服を着た人達が街を歩いていました。
もう夕方でした。
時計を見ました。5時を過ぎていました。
明日は仕事か、と、わたしは思いました。
わたしの睾丸にはがんがいるのか、と、わたしは思いました。
明日も仕事だな、と、わたしは思いました。
駅のほうへむかっていく人達が大勢いました。わたしもそっちへむかいました。
わたしは家に帰るんだ、と、そう思いました。