今オレはひとりになった。
さすがに堪えてる。涙が止まらない。


謝罪ではすなまないことをしてしまった。
こんなはずではなかった。
2日前の夜に戻りたい。


当初伊豆へ温泉旅行を計画した。
かなり綿密にサプライズも盛り込んで自分なりに
今までにない最高なプランができた。
彼女に喜んでもらう顔が楽しみだからだ。

道中も彼女は富士山を見るのが初めてで、かなり
感動していたのが印象的だった。

サービスエリアでの楽しい会話も今思うと楽しかった。
旅館での露天風呂も楽しかったし、ご飯も最高でした。

食後に事件が起こってしまった。

メールが来て、彼女が教えてくれた時、ケイタイ画面の内容がチラッと映り、
ちょっと~メール見せてよ。
見せないのも気まずいと思い、
早くみせろよ!と一喝され、追及がはじまった。
当たり前のことだと思う。それだけ彼女はオレのことを好きでいてくれたんだから・・・

その内容は以前友人にえみりんのことを悪く言った内容の続きであり、友人には格好つけたことを書いていた。変な見栄を張っていた。
本心はそれとは全くの逆のことであり、彼女と別れたくないのも自分であり、もっとも失いたくないのも自分でした。

またそれが彼女を傷付けてしまい、振られてしまうのが怖くて嘘をついてしまった。

それはえみりんのことじゃないよ!

嘘を重ねるとボロがしだいに出てきて、ますます
どうしよもなくなって、えみりんと付き合いはじめて1ヶ月半のころまだ一人だけ会ってた人のせいにして、嘘を重ねてしまった。その人にも悪いことをしてしまった。
書きながら自分は最低以下だと思う。

今思うと、彼女はすべてお見通しで、オレが嘘をついてるかどうかを見極めたかったんだと。

それでも馬鹿なオレは、嘘を突き通してしまった。
そんな彼女の気持ちにオレは、ナイフで何度も何度も突き刺してしまっていた。
本当に申し訳ないことをしてしまった。
その夜は彼女を泣かせたまま、ただただ謝り続けたがそのまま夜が明けてしまった。

翌日まったく会話もなく、ただ不穏な空気だけが流れ、一言だけ、次の旅館に向かっていい?
彼女は頷いただけだった。
それも今思うと、彼女の優しさだったと気づかされる。
とりあえず付き合ってくれたんだと。

結局旅館にたどり着いたけど、彼女は帰ると泣き出した。何とか引き留めようと必死だった。
もうなにも信用できないと言われ続けた。

当たり前だ。どれだけ傷つけてしまったのだろう。彼女がどれだけ繊細な心の持ち主かを一番知ってるオレが一番やってはいけないことをしてしまった。振られて当然だ。

オレは卑しい人間且つ心が小さいから、この旅館は予約が取れないところだから、とりあえずチェックインだけでもしてくださいとお願いした。

何とかチェックインして、スイートルームを見せることができた。でもただそれだけで、彼女は帰るの一点張り。

最後に聞くけど、あのメール本当は私のことなんだよね?正直に言って!わたしだって、あなたの悪口くらい親友に言うわよ。

正直に応えると振られて終わりということが、
オレにはわかっている。どうしても言えない。ものすごい沈黙が続いた。彼女はオレの視線を外さない。

彼女の瞳を見ると、なんとも言えない漆黒の寂しい気持ちが伝わった。
もう嘘はやめよう。誓った。

ごめんなさい。その通りです。

彼女は泣き崩れた。わたしの悪口を言って楽しんでるかと思うともう耐えられない。

当たり前だ。もの凄く傷付けてしまった。

もうすべてを受け入れる覚悟をした。
駅に送ってくれと涙ながらに彼女は言う。もう夜の22時過ぎだ。彼女一人にできるものか。

幸い部屋が多かったから、オレは別の部屋で寝るから、今日一晩だけ我慢してくれ。
明日の朝一番に駅に送るからと告げた。

翌朝彼女を駅へ送った。
帰りの高速オレはひとり3時間泣きっぱなしで、マンションに帰ってきた。
本当は旅行から帰ってきたら、サプライズしようと思っていた二人で住むマンションだ。