「籠の中の乙女」

 

2009年のギリシャ映画。

製作総指揮・監督はヨルゴス・ランティモス、出演はクリストス・ステルギオグル、ミシェル・バレイ

 

 

妄執にとりつかれた両親と純真無垢な子どもたちを主人公に、極限の人間心理を描く。

ギリシャ郊外に暮らすある裕福な一家は、外の汚らわしい世界から守るためと、

子どもたちを家の中から一歩も出さずに育ててきた。

厳格で奇妙なルールの下、子どもたちは何も知らずに成長していくが、

ある日、年頃の長男のために父親が外の世界からクリスティーヌという女性を連れてきたことから、

家庭の中に思わぬ波紋が広がっていく。

 

 

ヨルゴス・ランティモスの監督第二作。

 

これがカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリ、

米アカデミー賞にノミネートされた事で、世界的な監督の仲間入りすることになった映画ですね。

 

ただ…

 

うーん

 

僕的には

 

この作品はちょっと駄目かな。。

 

自分の子供達を家の敷地から一歩も出さずに育てるって言う設定の面白さなんだろうけど、

その設定が…ちょっと無理があるかな、と。

 

「ロブスター」とか「哀れなるものたち」みたいにぶっ飛び過ぎた設定だったら、

現実と別世界の映画ってことで観れるんだけど。

 

この作品は現実と地続きな世界観。

「そんなことあるかー」って思いが先に立っちゃって、僕的には駄目でした。。

だって無理じゃないですかね。

家がいくら広い(日本で言えば豪邸なんだけど、向こうでは普通なんですかね?)とは言え、

父親が強権ふるって家の外には出さないようにしたって、

家の外には出ちゃうんじゃないか…って思うんですよ。

それに自分が死んだら子供達はどうやって生きていかせるつもりなのか…

 

 

でも、映像の美しさとか作品に流れる空気感はやっぱ好きですね。

この監督ならでは。

唯一無二の世界観ですからね。

 

映画監督として何が必要かと言えば、その世界の空気感を作れるってことだと思います。