「破戒」
2022年の日本映画。
原作は島崎藤村、監督は前田和男、出演は間宮祥太朗、石井杏奈、矢本悠馬。
亡くなった父から自身が被差別部落出身である出自を隠し通すよう強い戒めを受けていた瀬川丑松は、
地元を離れてある小学校の教員として奉職する。
教師としては生徒に慕われる丑松だったが、出自を隠していることに悩みを抱いている。
下宿先の士族出身の女性・志保との恋に心を焦がす丑松だったが、やがて出自について周囲に疑念を抱かれるようになり、
学校内での丑松の立場は危ういものになっていく。
苦しみの中、丑松は被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎に傾倒していくが…
いつやってた?
NETFLIXで見つけるまで、この映画の存在を知らなかったんだけど…。
知ってたら観に行ってたのになー。
題材が題材だけに、あまり宣伝しなかったのかね?
島崎藤村の原作を読んだのはもう何十年も前。
ラストの「我は穢多なり」って台詞以外は殆ど覚えてませんが、
明治時代の小説にしてはかなり読みやすかった思い出。
この小説の初版が明治39年。
二葉亭四迷の「浮雲」が明治20年。
20年くらいの間に日本文学ってかなり進化したんですねー。
で、この映画ですが
悪くはない。
明治文学だから元の話は結構ちんたらしてるんですが、
現代的に・スピーディに描いてます。
ですが
もうちょっと部落差別の悲惨さを描いて欲しかった。。
まあ、原作でもそんな描写は殆ど無かった(と思う)んだけど、
差別問題を描くならその辺を入れて欲しかったです。
今は被差別部落問題がどうなってるか分からないんですが…。
大学時代の話し。
僕は北海道⇒東京の大学で、被差別部落問題って一度も経験したこと無いんですね。
でも関西の大学行った友人は
「彼女が部落出身だったら付き合う?」
って聞かれたみたいで…。
どうなんだろ。
まだ根強く残ってるのかね。
それとももうかなり薄れて来てるのかね。
どっちにしろ、
差別問題の映画なんだから、差別がどれだけ凄惨なものか描いた方が、テーマが伝わりやすかったかも…
って、書いてたら別の考えが浮かんで来たんですが
リアルに差別を描くと消えかけている差別感情が復活しちゃうかも…
なんて思ったりもして、
このくらいの描き方が丁度いのかなーなんて思ったり思わなかったり。
そんな事を考えるきっかけになると思うので、
皆さま、お時間ありましたら映画観るなり小説読むなりすることをお勧め。