ゴッホ・シリーズ『医師ガシェの肖像』の紹介です。

   美術史を語るうえで付きまとうナチスの黒い影、またもやゲーリングが関与しています。

   ユダヤ人絶滅計画を遂行しながら、財宝には異常な執着と執拗な着服、この絵に関しては売り飛ばすという呆れた私利私欲に言葉もありません。

   さらに唖然としたことに、略奪した芸術品を自宅に飾って来訪者に自慢していた当時の映像を見て、「てめぇら人間じゃない、叩き斬ってやる。」(破れ傘刀舟)と代わりに叫びたいくらいでした。

   「名画も流転する。」 と、ヘラクレイトスさんに報告したいくらいです。  

 

コニャック【カミュ  ブック】※ゴッホ

 

★★★★★★★レギュラー瓶★★★★★★★

 

★★★★★★★ゴッホ『医師ガシェの肖像』★★★★★★★  

   1933年、シュテーデル美術館はナチスから逃れるためにコレクションを隠したが、1937年、宣伝省によって発見、没収された。

   ゲーリングはナチスNo2の立場を利用し、『医師ガシェの肖像』を含む数枚を持ち帰り、すぐにアムステルダムの画商に売った。

   画商はこれを美術収集家クラマルスキーに売却したが、ナチスを逃れニューヨークへ渡り、この絵はメトロポリタン美術館に寄託、展示されていた。

   クラマルスキー家は、この絵をメトロポリタン美術館から引き上げ、1990年にクリスティーズに出品。

   当時史上最高落札額124億5000万円で、大昭和製紙名誉会長齊藤了英が競り落とした。   

   その後、斎藤家がサザビーズに売却、再び売却され個人蔵となっている

(『美術史の窓』)

 

★★★★★★★シュテーデル美術館★★★★★★★

   1818年、フランクフルトの銀行家シュテーデルの遺言により設立。

   1937年、ナチスにより、『医師ガシェの肖像』など油彩77枚と版画700点が没収された。

   1939年、建物は連合軍の大空襲で完全に破壊され、1966年に現在の姿に再建される。

(『世界の美術館:ドイツ』)